新エーテル理論

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「エーテル」引きずり仮説と光行差についての再検討

論文の紹介

この論文は私が初めて書いた物理の論文です。アイデアとしては、「エーテル」の存在を前提にした時間の遅れの説明のほうが早くできていたのですが、「光行差」の問題がクリアできず、「エーテル」の存在を前提にした理論を展開することができずにいました。インターネット等でいろいろと検索してみても解決策となる資料は見つからず困っていました。そんな中、ある日不意にこのアイデアが浮かび、一週間ぐらいで文章に仕上げました。その後、加筆修正を加え、現在の論文は今年の7月に出来上がりました。

気がついてみれば実に簡単なアイデアです。光が移動しているエーテルの中をどう進むかではなく、移動しているエーテルから見て進入してくる光がどのように見えるのかが大切なのです。いったん移動しているエーテルの中に入ってしまえば、エーテルにとっても光にとってもそれ自身から見れば静止しているエーテルの中を光が進んでいくのと全く同じでただ直進するだけです。問題なのは光が移動しているエーテルに入ってくる瞬間です。今までの考え方では、この、光が入ってくる瞬間の光の進行方向の変化に気づくことができなかったのです。これは、光を単純に波としてのみ考えたことが原因です。光は、波と粒子の二面性を持ちます。この場合、光を波動と考えるのではなく、粒子として考える必要があったのです。もっとも、マイケルソン・モーリーの実験により「エーテル風」の存在が否定されたのが1887年で、アインシュタインが光量子仮説を発表したのが1905年なので仕方のないことだったのかもしれません。

光行差とエーテル引きずり仮説について調べているうちに、光行差がエーテル引きずり仮説を否定するという記述が新しい文献(一般人向けの解説書)では出てこなくなっていることに気づきました。2005年出版の「よくわかる相対性理論の基本」著者:水崎 拓(秀和システム)や図書館で借りて読んだ2005年以前に出版された解説書やインターネットの解説でも古いものでは光行差がエーテル引きずり仮説を否定することを丁寧に分かりやすく説明してくれているのですが、2006年出版の「図解 相対性理論と量子論」著者:佐藤勝彦[監修](PHP研究所)や2009年出版の「マンガでわかる相対性理論」監修:新田英雄、著者:山本将史(オーム社)では、マイケルソン・モーリーの実験により「エーテル風」が観測されなかったことは出てくるのですが、それを説明する仮説の一つにエーテル引きずり仮説があり、それが光行差現象を説明できずに否定されたということは全く出てきません。このことより、2005年以前にすでに光行差があってもエーテル引きずり仮説を否定することはできないことが発表されていたのかもしれないと考えました。そのため、インターネットで検索したのですがやはりそのような資料を見つけることはできませんでした。しかし、物理の専門家ならばそのような情報も知っているのではと思い、高校や大学の専門家にアドバイスを求めたのですがそのままうやむやになってしまいました。

とにかく、この論文は新エーテル理論の基礎となる論文です。エーテルの存在の可能性がなくては新エーテル理論は成り立ちません。この論文ができたおかげで「エーテル」の存在する広大な世界が私の前に広がったのです。前置きが少々長くなってしまいました。皆さんがこの論文を読み、「エーテル」の存在の可能性に賛同し、新エーテル論の世界に興味を持ち参加してくださることを願います。

2012年9月22日

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「エーテル」引きずり仮説と光行差についての再検討

要約

マイケルソン・モーリーの実験により「エーテル風」の存在が否定された結果、「エーテル風」が観測されなくとも「エーテル」が存在することを説明するためにさまざまな仮説が考えられた。そのなかの一つに「エーテル」が地球と一緒に移動しているというエーテル引きずり仮説がある。しかし、エーテル引きずり仮説は光行差を説明することができず否定された。しかし、今回、光が静止している「エーテル」から移動している「エーテル」に進入する時の移動している「エーテル」から見た光の角度に注目し再検討した結果、「エーテル」が地球と一緒に移動していても光行差を説明できることが判明した。

はじめに

20世紀初めまで、光の媒質として広く信じられて来た「エーテル」は、「エーテル」の存在を信じ、「エーテル風」の観察をすることにより「エーテル」の存在を証明しようとして1887年に行われたマイケルソン・モーリーの実験の結果、皮肉にもその存在が否定されてしまった。マイケルソン・モーリーの実験装置は「エーテル風」を観測するために十分な精度を満たしていたにもかかわらず「エーテル風」を観察することはできなかった。当時、この結果を説明するためさまざまな仮説が考えられたが、その中のひとつに、地球の重力の影響で地球の運動と同じ向きのエーテルの流れが発生している、というエーテル引きずり仮説がある。しかし、この、エーテル引きずり仮説は当時観察されていた光行差を説明することができずに否定された。地球が「エーテル」を引きずっている場合、光行差は起こらないと考えられているからである。しかし、エーテルが地球と同じ速度で移動していても光行差が起きる事が判明したので、その詳細を報告する。

光行差とは

光行差とは18世紀にブラッドレーが発見した天文現象で、地球の公転運動により星からの光の向きが変わって見えるため、季節により星の位置が楕円または円を描くように変化して見える現象である。

雨が垂直に降る中を、車で走りぬけると、雨は斜め前方からやってきたように見える。これは、垂直に落ちてくる雨の運動と前方へ走る車の運動が合成されて雨の運動が斜め前からの運動になるためである(図1)。

図1:雨の運動の合成

雨の運動の合成  垂直に降って来る雨の中を車で走ると雨は雨と車の運動ベクトルが合成された v1-v2 の運動ベクトルとして上斜め前方より降って来る。


これを光に置き換えると、雨が星からの光(太陽系の真上にあることにする)、車の運動が地球の公転、雨と車の運動ベクトルを合成した上斜め前方より降って来るベクトルが地球への光の経路となる。地球が太陽の周りを回っているため、星から降り注いでくる光に対する進行方向は季節により変化する。そのため季節により光行差の起こる方向が変化し星の位置が円を描くようにずれてみえる。これが光行差である(正しくは周年光行差)。

光行差とエーテル引きずり仮説についての従来の考え方

一般にエーテルが地球と一緒に移動している場合は光行差は観察されないと考えられている。具体的には、星からの光は「エーテル」の移動により、「エーテル」と同じ方向に同じ速度で流される。一方、地球 も「エーテル」と一緒に移動している。そのため、両者の運動が相殺され地球の観測者には光の経路の変化は観察されないと考えられている(図2)。

図2:従来のエーテル引きずり仮説と光行差の考え方

図2:従来のエーテル引きずり仮説と光行差の考え方  移動している「エーテル」に入ると光は「エーテル」と一緒に流される。しかし、同時に観測者も同じ速度で移動するため光は観測者の真上から来ると観察される。そのため、光行差は観察されない。


光行差とエーテル引きずり仮説についての新しい考え方

エーテル引きずり仮説と光行差についての新しい考え方では、光が静止している「エーテル」から移動している「エーテル」に進入する時の「エーテル」と光との角度に注目した。マクスウェルの方程式より電磁波である光は、電界と磁界が電磁誘導により交互に相手を発生させあうことで空間を伝わっていき、電界と磁界が発生する振動方向はお互いに直角であり、誘電率、透磁率が変化しない限り空間中を直進することが示されている。つまり、「エーテル」は光を受け取るとその光を受取った方向の180度反対にある同じ誘電率、透磁率をもった「エーテル」に伝えることを繰り返し直線的に光を伝えていくのである。静止している「エーテル」中を垂直に直進してきた光は、移動している「エーテル」から見ると光行差と同じ原理により上斜め前方より進んでくることになる。すると、上斜め前方より光を受けた移動している「エーテル」はその光を受取った方向の180度反対にある下斜め後方の一緒に移動している「エーテル」に伝える。つまり、静止している「エーテル」から移動している「エーテル」に光が進入する瞬間に光の進行方向が光行差で観測される角度と同じだけ変えられることになる。その後、移動している「エーテル」中を進む光は「エーテル」と同じ方向に同じ速度で流されるが地球も「エーテル」と一緒に移動しているため、両者の運動が相殺され地球の観測者には光は上斜め前方より進んでくると観測される(図3)。このため、「エーテル」が存在し地球と一緒に移動している場合にも「エーテル」が移動していない場合や存在していない場合とまったく同じように光行差が観測される。これにより、エーテル引きずり仮説が光行差により否定できないことがわかった。

図3:新しいエーテル引きずり仮説と光行差の考え方

図3:新しいエーテル引きずり仮説と光行差の考え方  「エーテル」のスピードが遅く、光の進行方向が変えられる角度(Θ)が小さい場合cosΘ=1となるため、実際の光の進行方向は角度が変化してまがって進んだ距離と同じ距離だけ「エーテル」により流されて戻されるため直進することになる。「エーテル」の速度が速い場合は流された光が進む経路と光が直進するときの経路とで作られる角度をΘ´とした場合、光速をC、「エーテル」の速度をVとすると

 
 

kkssiki1.png(式1)
      となる。

 

式1の証明

図4:図3の移動している「エーテル」中を進む光の部分を拡大したもの

 図4:図3の移動している「エーテル」中を進む光の部分を拡大したもの 光の進行方向が変えられる角度をΘ、光が進む経路と光が直進するときの経路とで作られる角度をΘ´とし、できた三角形の各頂点をA、B、B´、C、C´、Dとし、光速をC、「エーテル」の速度をV、線分C´Dをx、線分C´B´をy、 線分AC´をzとする。光速は「エーテル」に対して一定のため移動している「エーテル」に入っても速度Cで進む。そのため移動している「エーテル」を進む光をあらわすベクトルはABとはならず、AB'となる。したがって、

kksSiki2.gifとなる。


図4において三角形ABCと三角形AB´C´は相似である。

よって、辺AB:辺AB´=辺BC:辺B´C´ かつ 辺AC:辺AC´=辺AB:辺AB´

よってkksSiki3.png・・・・・@   かつ  kksSiki4.png・・・・・A

@よりkksSiki5.png          AよりkksSiki6.png

x=辺B´D−辺B´C´=V−y=V−kksSiki9.pngkksSiki7.png

以上より

kksSiki10.pngkksSiki11.pngkksSiki7.png÷kksSiki12.pngkksSiki8.png

となる。

考察

今回、エーテル引きずり仮説が否定できないことが判明した結果、「エーテル」の存在を否定することはできず、「エーテル」の存在の可能性が指摘された。波は媒質が移動すると一緒に移動する。そのため、20世紀初めまで光の媒質と考えられていた「エーテル」は、光が宇宙を直進してくるため宇宙空間において静止しており、その中をさまざまな天体が、「エーテル」に何の影響も与えず「エーテル」をかき乱すことなく移動していると考えられていた。しかし、地球が「エーテル」を引きずっているならば、宇宙の他の天体も同じように「エーテル」を引きずり、「エーテル」と一緒に移動していると考えなければならず、宇宙には「エーテル」の流れがあると考えなければならない。このことも、エーテル引きずり仮説が否定される大きな要因の一つだったと思われる。しかし、図3において、実際の光の進行方向(図中の流された光)を見てみると、静止した「エーテル」を進んで来た光は、流れている「エーテル」に入ってもほぼ直進することが示されている。これは、光が移動している「エーテル」に入ると「エーテル」の進行方向に流されるが、同時に「エーテル」の速度に応じて進行方向が変えられ、「エーテル」の流れと反対に進み、両方の運動が相殺されるためである。厳密には「エーテル」により流される距離のほうが長くなるが、図3の説明中の式1を使い計算してみるとΘ´の値はエーテルの速度が光速の5%のときに12.9秒、1%のときに0.1秒となる。一方地球の公転速度は秒速約30kmで光速の0.01%であり、太陽系が銀河系を公転する速度は秒速約220kmで光速の0.073%である。このことより、「エーテル」が天体の公転や自転により引きずられて作られる「エーテル」の流れは光速に比べ非常に小さいものであると考えられる。そのため光は、宇宙空間を天体に引きずられさまざまな速度で移動している「エーテル」の中を通過してきても、「エーテル」がない場合や「エーテル」が静止している場合と同じように直進すると考えられる。

一方、光が重力により重力の方向に曲げられることが観測されている。「エーテル」が電磁波である光の媒質であるならば、電磁波が伝播していくときに発生する電界と磁界は、「エーテル」がエネルギーを受け取ることにより「エーテル」を利用し作られるものと考えられる。すると、重力により引き寄せられる性質を持つ「エーテル」を利用し作られた電界と磁界も、重力により引き寄せられることになり、電磁波である光も重力により引き寄せられ重力の方向に曲がると考えられる。

つまり、光は、天体の重力により天体の移動とともに引きずられて移動している「エーテル」中を進行する場合は、「エーテル」の移動速度が光速に比べ非常に小さいため、「エーテル」の移動に影響されることなく直進するが、天体の重力により引き寄せられる場合は、「エーテル」で作られた電界と磁界が重力により引き寄せられるため、重力の影響を受け重力の方向に曲げられるという性質を持つと考えられる。

以上のことより、「エーテル」の存在を仮定する場合、「エーテル」は宇宙空間において静止しているものではなく、地球の大気がさまざまな方向や速度で移動しているのと同じように、宇宙空間でさまざまな方向や速度で移動していると考えるべきであるが、それにもかかわらず、現在、われわれが観測している、光行差、光の直進性や重力による湾曲などを矛盾なく説明できることが判明した。今後は、「エーテル」の存在を前提にしてさまざまな物理現象を再検討する必要があると思われる。

論文は以上です

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Copyright (C) 2012 Yukihiko Hoshino
初版:2012年9月22日、最終更新:2015年3月8日
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