新エーテル理論

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「エーテル」の存在を前提とした電磁気学U
〜電磁誘導について〜

論文の紹介

難しく、なかなか解明することができずにいる、電磁気学についての二番目の論文である本論文のテーマは電磁誘導です。前論文では磁気のみについて考察しましたが、本論文ではいよいよ、電気も含めた電磁気学についての考察となりました。電磁気学とは、文字通り電気と磁気についての学問であり、それを一つにまとめて電磁気学としていますが、その理由は、電気と磁気の間に非常に深い関係があり互いに影響しあうため別々に研究することができないからです。電磁気学の解明には、電気と磁気の関係を解明することが不可欠なのです。本論文では、電気と磁気の関係についての考察の第一歩として電磁誘導の機序の解明に取り組みました。考察では、電気と磁気の関係をさらに解明するために、電流による磁界の発生と磁界中を電子が移動するときに電子が受けるローレンツ力についても検討を進めました。まだまだ不十分な考察ではありますが、この論文をお読みになった皆様が、新エーテル理論に興味を持ちその研究に取り組むきっかけになればと思い公開させていただきました。

電磁誘導は1831年にマイケル・ファラデーにより発見されました(所説あり)。この発見により人類は「電気」を作り出す手段を入手し、それが、現在の電気文明へと繋がっており、電磁誘導の発見が人類にとっての最も重要な発見の一つであることを否定する人はいないと考えます。しかし、これ程重要な発見であるにも関わらず、電磁誘導の方法や発生する誘導電流の向きや強さなどは観察や実験により明らかにされていますが、なぜ、磁界を変化させるとコイル(導線)に電流が発生するのかという、根本的な電磁誘導の機序は解明されておりません。これまで多くの研究者が、電磁誘導の機序を明らかにするために研究を続けてきたにもかかわらず、誰一人として、電磁誘導の機序を解明することはできずにいるのです。

現在の物理学では、電磁誘導以外にも、自然界の四つの力(引力、電磁気力、強い力、弱い力)、重力質量と慣性質量の等価原理、慣性の法則、物質とエネルギーの等価性とエネルギーの正体など、物理学の基礎ともいえる身近で基本的な事象であるが、その根本的な機序が解明されていないものや一応解明されているがその説明が非常に難解で常識とかけ離れた理解困難なものが多々存在しています。なぜ、優秀な研究者たちが長年にわたり熱心に研究を続けてきているにもかかわらず、物理学の基礎となる事象の機序が解明されないのでしょうか。わたくしは、その原因は、現代物理学が「エーテル」の存在の否定から出発しているためだと考えています。前提条件が間違っていては、正しい理論は組み立てたられず、もし、つじつま合わせで組み立てたとしてもその理論は複雑で難解なものと成ってしまいます。天動説は「地球が世界の中心にあり不動である。」と言う間違った前提を出発点としていたため、最初は単純で分かりやすかった理論が、学問が進みそれまでわからなかった、惑星の逆行などを説明するためにより複雑で難解な理論へと変化していったのです。失礼な言い方になってしまい心苦しいのですが、わたくしには、それは、あたかも、一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論が、それまでの理論で説明できなかったことを説明するために次から次へとより難しい理論を作り出し、現在では、素粒子は「粒」ではなく実は「ひも」で、我々の世界は10次元以上であるという、複雑で難解で常識では理解困難な、超ひも理論へと発展してきていることと重なるように感じられて仕方ないのです。現在、世界中の優秀な科学者たちが超ひも理論の研究を日夜続けています。しかし、もはや「エーテル」の存在を否定した理論から発展してきた理論だけでなく、「エーテル」の存在を前提とした理論(新エーテル理論)についても検討する必要がある時期に来ているのではないかと思います。

新エーテル理論では今までに5本の論文を発表し、光と時間と空間の性質、素粒子の正体、引力の発生機序とその性質、強い力と弱い力、重力質量と慣性質量の正体とその等価原理の証明、慣性の法則の証明、物質とエネルギーの等価性とエネルギーの正体、ダークマターやダークエネルギーの正体、宇宙の始まりから将来の姿、磁力の発生と作用機序などについて、「エーテル」の存在を前提として検討し、その機序を明らかにしてきました。その結果、それらの事象が全て、「エーテル」の動態により決定されることが判明し、宇宙で最も小さな構造物である素粒子も宇宙で最も大きな構造物である宇宙空間も、両方が全く同じ現象である、「エーテル」の集合と発散により成り立っていることが明らかとなりました。物理学の究極の目標は、素粒子などのミクロの世界から宇宙の大規模構造などのマクロの世界までの、宇宙のあらゆることをたった一つの理論で説明できる「超大統一理論」を作ることだと言います。私は、新エーテル理論は物理学が目指す究極の理論である「超大統一理論」になりうる理論だと考えています。ぜひ、今までとは全く違う考え方にもとづく、新たな「超大統一理論」の可能性に触れてみてください。一人でも多くのひとがこの論文を読み、新エーテル理論に興味を持ち検証に参加してくださることを願います。

2024年10月18日


ご意見、ご感想

論文からの抜粋です

要約

前報5)において、磁力を伝える磁力量子の発生機序を検討した結果、磁力量子は進行方向に向かい右回転のものと左回転のものが同時に発生し、直線上をそれぞれ反対方向に空間を伝わっていくことが判明した。

これを前提に、電磁誘導の発生機序を検討した結果、磁石をコイルに近づけた場合、近づいてくる磁極から発生する磁力量子の回転により発生する、回転と同方向の「エーテル」の流れによりコイル中の自由電子が流されるため、コイル中を磁力量子の回転方向と反対に流れる電流が発生するが、「エーテル」の流れにより引き起こされる自由電子の移動は「素粒子における運動の法則」により直ぐに停止するため、電流も直ぐに停止することが判明した。

一方、磁石をコイルから遠ざけた場合、一方向への「エーテル」の流れの中で安定し同じ場所に静止していた自由電子は、「エーテル」の流れがなくなるため、素粒子における運動の法則により、それまでの「エーテル」の流れと反対方向に瞬間的に移動しその後移動を停止するため、磁石を近づけたときに発生した電流と反対方向に流れる電流を瞬間的に発生することが判明した。

また、コイルに近づける磁極と発生する電流の向きの関係より、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)が進行方向に向かい右回転であり、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)が進行方向に向かい左回転であることも判明した。

はじめに

新エーテル理論では、すでに以下の5つの論文
     論文1 「エーテル」引きずり仮説と光行差についての再検討1)
     論文2 「エーテル」の存在を前提とした相対性理論の再検討2)
     論文3 「エーテル」の存在を前提とした万有引力についての考察3)
     論文4 「エーテル」の存在を前提とした宇宙の成り立ち4)
     論文5 「エーテル」の存在を前提とした電磁気学T5)
                 〜磁力の発生と作用機序について〜
を発表してきた。(以下、本論文中ではそれぞれの論文を論文番号で示す)

新エーテル理論では、これらの論文を通し、現在広く信じられている、「エーテル」が存在しないことを前提とする物理理論に代わる、「エーテル」の存在を前提とする新たな物理理論を提示してきた。

本論文では、「エーテル」の存在を前提とし、電磁誘導の機序について考察した。

前報において、
@磁力は引力同様、「エーテル」の運動の最小単位である磁力量子(引力量子になぞらえ磁力量子と名づけた)が力の発生源で発生し、その「エーテル」の運動が空間を連鎖的に伝わることにより離れた物質に力をおよぼしている。
A磁力量子は、原子核の収縮で発生した引力量子が原子核周囲の電子が対で存在し「エーテル」がランダムに運動している電子雲から、電子が単独で存在し「エーテル」が一方向に流れている電子雲に達した瞬間に、「エーテル」の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦として発生し、その後、回転を維持したまま、それまでの進行方向に垂直な上下方向に2つに別れて進行する。
B磁力量子と引力量子の大きな違いは、磁力量子が「エーテル」の渦を持っていることであり、磁力に作用する物質と作用しない物質があることや、N極、S極という2つの磁極を持ち、同じ磁極同士に斥力が働き異なる磁極同士に引力が働くことなど、磁力特有の性質は「エーテル」の渦の回転方向の違いに由来する。
が判明した。

本論分では、以上を前提に、電磁誘導の発生機序を検討した。

その結果、
@磁石をコイルに近づけた場合、近づいてくる磁極から発生する磁力量子の回転により発生する、磁力量子の回転と同方向の「エーテル」の流れによりコイル中の自由電子が流されるため、コイル中を磁力量子の回転方向と反対に流れる電流が発生するが、「エーテル」の流れにより引き起こされる自由電子の移動は「素粒子における運動の法則」により直ぐに停止するため、電流も直ぐに停止する。
A磁石をコイルから遠ざけた場合、一方向への「エーテル」の流れの中で安定し同じ場所に静止していた自由電子は「エーテル」の流れがなくなるため、「素粒子における運動の法則」により、それまでの「エーテル」の流れと反対方向に瞬間的に移動しその後移動を停止するため、磁石を近づけたときに発生した電流と反対方向に流れる電流を瞬間的に発生する。
が判明した。

また、電磁誘導において磁極をコイルに近づけた場合に発生する誘導電流の方向が、N極をコイルに近づけた場合に磁石からみて左回転であり、S極をコイルに近づけた場合に磁石からみて右回転であることより、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)が進行方向に向かい右回転であり、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)が進行方向に向かい左回転であることも判明した。

以下その詳細を報告する。

1.電磁誘導時にコイルに作用する「エーテル」の流れについて

電磁誘導では、コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすることによりコイル中に電流が流れることが知られている。本報では、まず、コイルに磁石を近づけた場合について検討する。

電流の流れは、電子の流れであり、導体を電流が流れる機序は導体の自由電子が一方向に移動することにより電子の流れと反対の方向に電流が流れることが判明している。このことより、電磁誘導における電流の発生は、コイルに磁極が近づくことにより、コイル中の自由電子に一方向に移動する力が働き自由電子が移動し電流が流れると考えられる。

新エーテル理論において力(エネルギー)の本体は「エーテル」の運動であると考える3)。そのため、磁極を近づけたときに自由電子を移動させる力の正体は「エーテル」の運動であることが導き出される。

磁力は「エーテル」の運動の最小単位である磁力量子により伝えられ、磁力量子は「エーテル」の渦を持っていることが論文5で明らかにされている。そのため、コイルに磁極を近づけた場合、コイルには「エーテル」の渦が力を及ぼし内部の自由電子を「エ−テル」の運動方向に移動させることになる。しかし、マクロの物質であるコイルにミクロの物質である磁力量子の「エーテル」の渦が力を直接及ぼした場合、コイルの大きさに比べ磁力量子の大きさが極端に小さいため磁力量子の「エーテル」の渦はコイルの様々な場所に円形の力を及ぼすためその力の向きはコイルに対してランダムな方向となり、決して一方向への力とは成り得ず、コイル中の自由電子を一方向へ移動させることはできない。そのため、コイル中の自由電子を一方向に移動させるには、コイルに力を及ぼす「エーテル」の流れはコイル全体を包み込む大きさの1つの渦と成る必要がある。 以下、磁石をコイルに近づけた場合に磁石から発生する磁力量子の作用によりコイル周囲に作られる「エーテル」の流れについて考察する。

1-1磁力量子の作用で作られる「エーテル」の流れ

電磁誘導において、コイル周囲に作られる「エーテル」の流れは、磁石から発生し、コイルに作用し続ける無数の磁力量子によって形成される。したがって、磁石をコイルに近づけた場合に磁石から発生する磁力量子の作用によりコイル周囲に作られる「エーテル」の流れについて考察するため、まず、1つの磁力量子により作られる「エーテル」の流れについて考察する。

空間に「エーテル」の渦が存在する場合、「エーテル」の渦の周囲の「エーテル」は中心にある「エーテル」の渦の回転に巻き込まれ回転し自身も渦を形成する。形成される「エーテル」の渦の大きさは、台風の周囲に存在する暴風域の大きさが台風の強さが強いほど広範囲に存在するのと同様に、中心の「エーテル」の渦の回転速度に比例し大きくなる。

現在の物理学では、スピンを実際の素粒子の回転とすると、その回転速度が光速を超えてしまうことが知られており、そのため、スピンを素粒子の回転と考えることができず、あくまでも概念的なものとして扱っている。しかし、新エーテル理論においては、素粒子のスピンとは、素粒子を構成する「エーテル」の回転であると考える。

磁力量子が有する「エーテル」の渦の回転は論文5より、原子中の不対電子のスピンに由来することが導き出されている。そのため、磁力量子が有する「エーテル」の渦の回転速度は光速を超える非常に大きなものであり、周囲に形成される「エーテル」の渦は磁力量子に比べ非常に巨大なマクロ的なものになることが導き出される。

さらに、磁力量子の「エーテル」の渦は、磁力量子の移動と一緒に空間を移動するが、周囲に形成される「エーテル」の渦は磁力量子が移動しても、しばらくの間はそのまま存在する。そのため、磁力量子が移動した周囲には円筒状の「エーテル」の渦が形成されることになる。

以上のことより、磁力量子の作用により空間に形成される「エーテル」の流れは、磁力量子の回転方向と同方向に回転する、磁力量子の移動経路を軸としたマクロ的な大きさの円筒状の渦と成っていると結論付けることができる。

1-2磁石周囲の「エーテル」の流れ

電磁誘導は導体であるコイルに磁石を近づけたり遠ざけることにより電流を発生させる。そのため、コイルに作用する「エーテル」の流れは、磁石周囲の「エーテル」の流れにより決定される。

磁石周囲の「エーテル」の流れは、磁石が発生する磁力量子により形作られる。そのため、その範囲は、磁力量子が作用を及ぼす範囲、すなわち、磁石周囲の磁界と一致することになる。

磁力量子は磁石を構成する各原子から発生するが、磁石内部ではN磁力量子とS磁力量子が相殺されるため、相殺する相手の存在しない磁極及び側面においてのみ空間に現れる。

この時、磁極から発生する磁力量子は、磁極から空間に向かって発生したものだけが空間へと現れるため、N極ではN磁力量子、S極からはS磁力量子となる。

一方、側壁では、側壁に存在する原子から発生した磁力量子は、両磁極を結ぶ直線と平行な方向に発生した磁力量子は相殺されるが、斜め方向へ発生し側壁から空間へと現れた磁力量子は完全には相殺されない。そのため、磁石の側壁の磁界においてはN磁力量子とS磁力量子が混在することになる。

磁力量子の進行方向に対する回転方向はN磁力量子とS磁力量子とでは反対である。しかし、進行方向に関係なく、片側の磁極にむかって見た場合は、全て同じ方向となる。

具体的には、1本の棒磁石において、N磁力量子が進行方向に向かい右回転だった場合、その棒磁石から発生する磁力量子は、N磁力量子とS磁力量子で進行方向は反対になるが、その回転方向は、S極からN極に向かってみた場合は全て右回転となり、反対にN極からS極に向かってみた場合は全て左回転となる。

これは、論文5で明らかにされた、磁力量子の発生機序からも明らかであり、以上のことより、磁石において磁力量子の作用により空間に形成される「エーテル」の流れは、全て同方向に回転する、磁力量子の移動経路を軸としたマクロ的な大きさの円筒状の渦と成っていることが導きだされる。

一定の領域において同方向へ回転している無数の「エーテル」の渦が重なり合った場合、渦の隣接部では「エーテル」の流れが逆向きとなるため、「エーテル」の流れは打ち消し合う。そのため、領域の境界部分にのみ「エーテル」の渦と同方向の「エーテル」の流れができる。

同様に、一定の領域において同方向へ回転している無数の円筒状の「エーテル」の渦が重なり合った場合も、領域の境界部分にのみ「エーテル」の渦と同方向の「エーテル」の流れができる。

上記、磁力量子が存在する領域が磁界である事より、磁力量子により形成される円筒状の「エーテル」の渦が存在する領域と磁界は重なることとなり、その結果、磁界の境界部分に「エーテル」の渦と同方向の円筒状の「エーテル」の流れが形成される。

以上のことより、コイルに磁力を作用する棒磁石の周囲の「エーテル」の流れは、その磁石が持つ磁界の形にほぼ等しい、棒磁石を軸として同一方向に回転する、端に行くに従い太くなる、円筒状の流れでありその流れの強さは元となる磁力量子の数、すなわち磁界の磁力の強さと比例することが判明した。(図1)


図1:磁石周囲のエーテルの流れ

図1:磁石周囲のエーテルの流れ)


以下、電磁誘導において、磁石をコイルに近づけた場合に、磁石周囲の「エーテル」の流れがコイルの自由電子に作用し、電流を発生させる機序について考察する。

1-3磁石周囲の「エーテル」の流れがコイルに作用する機序

前提条件として、今までと同様に、N極から発生するN磁力量子を進行方向に向かい右回転、S極から発生するS磁力量子を進行方向に向かい左回転と仮定して考察する。

N磁力量子の回転が進行方向に向かい右回転の場合、磁石周囲の「エーテル」の流れは、S極からN極に向かい右回転となる。(図1)

そのため、磁石のN極をコイルに近づけると、コイルは右回転の「エーテル」の渦の作用を受ける。この時、「エーテル」の渦の回転の強さは、磁力の強さと比例する。そのため、コイルに磁石を近づけると、コイル中の自由電子はより強い力を受けるため、やがて「エーテル」に流されN極から見て右に移動する。電子の移動方向と電流の流れは逆のため、コイルにはN極から見て左回転の電流が流れる。

一方、磁石のS極をコイルに近づけた場合は、左回転の「エーテル」の渦の作用により、コイル中の自由電子が左側に流されるため右回転の電流が流れることになる。

これは、実際の電磁誘導でコイルに磁極を近づけた場合と同じ結果であり、このことより、これまで仮定としていた、N磁力量子が進行方向に向かい右回転でありS磁力量子が左回転であるということが、証明されたことになる。

よって、以下の説明では、断ることなく、磁力量子の進行方向に対する回転方向はN磁力量子が右回転、S磁力量子が左回転として論を進める。

さて、以上より、電磁誘導においてコイルに誘導電流が発生するのは、磁力量子によって作られる「エーテル」の渦によりコイル内の自由電子が流され、コイルに「エーテル」の渦の回転方向と逆向きの電流が流れるためであると導き出された。

この時、磁力量子は磁極から絶え間なく発生しコイルに作用し続ける。そのため、コイル周囲の筒状の「エーテル」の渦は存在し続け、コイル内の自由電子は「エーテル」により流され続け、誘導電流は流れ続けるはずである。しかし、実際の電磁誘導では、誘導電流はコイルに磁極を近づけた瞬間のみ発生しすぐに流れなくなってしまう。

つまり、コイル中の自由電子は「エーテル」により力を加え続けられているにも関わらず、移動を止めてしまうことになる。これは、マクロの物質における「物体が力を受けると、その力の働く方向に加速度が生じる。加速度は力の大きさに比例し、慣性質量に反比例する。」という運動の第2法則(運動方程式)に反することになってしまう。そのため、素粒子においてはマクロの物質における運動の法則とは違う、素粒子にのみ成り立つ運動の法則があると強く示唆される。

以下、素粒子における運動の法則について検討する。

2.素粒子における運動の法則について

新エーテル理論では、既に論文3の考察 「B.慣性の法則について」 において、「エーテル」の存在を前提として慣性の法則の機序が解明されており、その過程で、一方向へ流れる「エーテル」の中での素粒子の運動について以下のことが判明している。
@変化のない一定のランダムな運動をしている「エーテル」中で、素粒子は粒子と波の相変化を繰り返し一定の範囲で安定して存在し続ける。以下、この状態の素粒子と「エーテル」の相対速度を「0」とする(厳密には0ではなく、常に変化しているが平均すると0となるため「0」と表記する)。
A一定の範囲で安定して存在し続ける素粒子に力を加え移動させると、素粒子は波の状態の時の体積に比例した「エーテル」の向かい風を受けるため、その場に留まろうとする力が働く。これが素粒子の慣性質量である。
B素粒子への力の加わりがなくなると素粒子速度の変化がなくなるため、素粒子周囲の「エーテル」の流れは、静止していた時とは異なるが、変化のない一定の運動となる。そのため、その中で相変化を繰り返す素粒子にとっては、観察者から見て「エーテル」の向かい風がある状態が、周囲の「エーテル」との相対速度が「0」となる、安定した既定の状態となる。その結果、素粒子は、安定した既定の状態を保つため、観察者から見て「エーテル」の向かい風が存在する状態を維持し、力が加えられなくとも、空間を一定の速度で移動し等速直線運動を続ける。
C等速直線運動する素粒子に力を加え速度を変化させると、観察者から見た素粒子への「エーテル」の向かい風の速度が変化する。そのため、素粒子と「エーテル」との相対速度の絶対値は「0」から増加し、素粒子は新たに、波の状態の時の体積に比例した「エーテル」の風の抵抗を受け、慣性質量に比例した速度の変化を妨げる力を受ける。

以上が、素粒子に直接物理的力を加えた時の素粒子の運動とその機序であり、このため、素粒子は空間の移動や周囲の「エーテル」の運動により「エーテル」により圧力を与えられ抵抗を受けた場合でも、波と粒子への相変化の過程で「エーテル」からの圧力を無効化するため、マクロの物質と同様に「外部から力を加えられない限り、静止している素粒子は静止状態を続け、運動している素粒子は等速直線運動を続ける。」のである。

これを、素粒子が素粒子周囲の「エーテル」の流れ(運動)により受ける力に視点を置いてまとめると、「素粒子は、周囲の「エーテル」の流れが変化した瞬間は周囲の「エーテル」により力を受けるが、その後は、相変化を繰り返すことで変化した「エーテル」の流れに対応するため、周囲の「エーテル」により力を受けなくなる。」となる。

以上をまとめると
@素粒子は「エーテル」が一定の運動をしている空間では「エーテル」の運動に変化がない限り、静止している素粒子は静止状態を続け、運動している素粒子は等速直線運動を続ける。これを素粒子運動の第1法則(素粒子の慣性の法則)とする。
A素粒子に力を加え運動の状態を変化させると、周囲の「エーテル」により波の状態の時の体積に比例する運動の変化を妨げる力を受け、周囲の「エーテル」の運動を変化させると、周囲の「エーテル」により波の状態の時の体積に比例する「エーテル」の運動の変化と同じ方向への力を受ける。これを素粒子運動の第2法則(素粒子の慣性質量の法則)とする。
なを、このときに素粒子が周囲の「エーテル」から受ける波の状態の時の体積に比例する力の大きさが素粒子の慣性質量である。
B素粒子は「エーテル」の運動の状態が変化した空間で相変化を繰り返すと、変化した運動の状態が新たな既定状態となり、その状態を保ちながら安定して相変化を繰り返す。これを素粒子運動の第3法則(素粒子の相変化の法則)とする。
となる。

今後、上記の3法則を「素粒子における運動の法則」とする。

以下、以上の「素粒子における運動の法則」に基づき、改めて、電磁誘導で起こる電子(素粒子)の運動について考察し、電磁誘導の機序を解明する。

3.電磁誘導の機序

電磁誘導では、N極をコイルに近づけるとコイル中を磁石から見て左回転の誘導電流が発生し、S極を近づけると反対に右回転の誘導電流が発生する。

次に、近づけた磁極をコイルから遠ざけると、それぞれ、近づけたときとは反対に磁石から見て、N極では右回転、S極では左回転の電磁誘導が発生する。

また、誘導電流は、磁石が移動しコイル周囲の磁界に変化が生じている時のみ発生し、磁石を停止すると誘導電流の発生も停止する。

電流の流れは電子の流れであり、素粒子である電子の運動は「素粒子における運動の法則」により決定される。

以下、「素粒子における運動の法則」に基づき、電磁誘導時の電子の動きを考察し電磁誘導の機序を解明する。

3-1磁石をコイルに近づけた場合

@)N極を近づけた場合

磁石のN極をコイルに近づける場合、磁界と同じ範囲に形成され、磁界の強さと比例した力を持つ「エーテル」の渦の回転方向は磁石の進行方向に向かい全て右回転となる。(図1)

そのため、磁石がコイルに近づき、磁界がコイルに磁力を作用すると「エーテル」の渦もコイルに作用する。「エーテル」の渦は磁極に近づくに従い渦の直径が小さくなる。そのため、磁石がコイルに近づき「エーテル」の渦の直径が小さくなり渦とコイルが重なると、コイル中の自由電子が「エーテル」に流され移動する(素粒子運動の第2法則より)。このとき電流は自由電子の移動と反対の方向に流れる。これが誘導電流の発生であり、コイルに発生する電流の向きは磁石からみて左回転となる。

磁石の移動を止めると、「エーテル」の流れは変化のない一定の流れとなる。すると、その流れの中で相変化を繰り返す自由電子にとっては、その「エーテル」の流れが既定のものとなるため、移動を止める(素粒子運動の第3法則より)。そのため、誘導電流の流れも停止する。

以上が、コイルにN極を近づけ停止したときに、コイル中を磁石から見て左回転の誘導電流が流れ、磁石の停止とともに電流が停止する機序である。

A)S極を近づけた場合

磁石のS極をコイルに近づける場合、「エーテル」の渦の回転方向は磁石の進行方向に向かい全て左回転となる。(図1)

そのため、上記N極を近づけた場合と同じ機序により、磁石がコイルに近づき「エーテル」の渦の直径が小さくなり渦とコイルが重なると、コイル中の自由電子が左回転の「エーテル」に流され移動する(素粒子運動の第2法則より)。そのため、コイルに磁石から見て右回転の誘導電流が流れる。

磁石の移動を止めると、「エーテル」の流れは変化のない一定の流れとなる。すると、その流れの中で相変化を繰り返す自由電子にとっては、その「エーテル」の流れが既定のものとなるため、移動を止める(素粒子運動の第3法則より)。そのため、誘導電流も停止する。

以上が、コイルにS極を近づけ静止したときに、コイル中を磁石から見て右回転の誘導電流が流れ、磁石の停止とともに電流が停止する機序である。

3-2磁石をコイルから遠ざけた場合

次に、コイルに磁石を近づけ電磁誘導を起こした後に磁石をコイルから遠ざけた場合におこる電磁誘導の機序について考察する。

@)N極を遠ざけた場合

コイルにN極を近づけ誘導電流を発生させた後に磁石を停止すると、コイル周辺の「エーテル」は磁石から見て右回転の安定した一定の流れとなり、コイル中の自由電子はその中で一定の場所で相変化を繰り返し存在する(素粒子運動の第3法則より)。

次に、この状態でN極をコイルから遠ざけると、遠ざかるにつれ、磁石によって発生されていたコイル周辺の磁石から見て右回転の「エーテル」の流れが弱くなるため、右回転の「エーテル」の流れを既定としていたコイル中の自由電子にとって、周囲の「エーテル」が、相対的に、左に回転し徐々にその速度を増加することになる。そのため、コイル中の自由電子はコイル中を磁石から見て左回転の方向に移動し(素粒子運動の第2法則より)、コイル中を磁石から見て右回転の誘導電流が発生する。

磁石の移動を止める(あるいは、磁力の影響がコイルに及ばない距離まで磁石を遠ざけると)と、コイル周辺の「エーテル」の流れは変化のない一定の流れとなる。すると、その流れの中で相変化を繰り返す自由電子は、その「エーテル」の流れが既定のものとなるため、移動を止め(素粒子運動の第3法則より)、誘導電流の流れも停止する。

以上が、コイルにN極を近づけた後にN極を遠ざけると、コイル中を磁石から見て右回転の誘導電流が流れ、磁石の停止とともに電流が停止する機序である。

A)S極を遠ざけた場合

コイルにS極を近づけ誘導電流を発生させた後に磁石を停止すると、コイル周辺の「エーテル」は磁石から見て左回転の安定した一定の流れとなり、コイル中の自由電子はその中で一定の場所で相変化を繰り返し存在する(素粒子運動の第3法則より)。

そのため、上記N極を遠ざけた場合と同じ機序により、次に、この状態でS極をコイルから遠ざけると、遠ざかるにつれ、磁石によって発生されていたコイル周辺の磁石から見て左回転の「エーテル」の流れが弱くなるため、左回転の「エーテル」の流れを既定としていたコイル中の自由電子にとって、周囲の「エーテル」が、相対的に、右に回転し徐々にその速度を増加することになる。そのため、コイル中の自由電子はコイル中を磁石から見て右回転の方向に移動し(素粒子運動の第2法則より)、コイル中を磁石から見て左回転の誘導電流が発生する。

磁石の移動を止める(あるいは、磁力の影響がコイルに及ばない距離まで磁石を遠ざけると)と、コイル周辺の「エーテル」の流れは変化のない一定の流れとなる。すると、その流れの中で相変化を繰り返す自由電子は、その「エーテル」の流れが既定のものとなるため、移動を止め(素粒子運動の第3法則より)、誘導電流の流れも停止する。

以上が、コイルにS極を近づけた後にS極を遠ざけると、コイル中を磁石から見て左回転の誘導電流が流れ、磁石の停止とともに電流が停止する機序である。

3-3電磁誘導の機序と磁力量子の回転方向

電磁誘導の機序を検討した結果、
@磁石をコイルに近づけた場合、近づいてくる磁極から発生する磁力量子の回転の合成により発生する、磁力量子の回転と同方向の「エーテル」の流れにより、コイル中の自由電子が流され移動するため(素粒子運動の第2法則)、コイル中を磁力量子の回転方向と反対に流れる誘導電流が発生するが、磁石が停止すると「エーテル」の流れにより引き起こされる自由電子の移動は素粒子運動の第3法則により直ぐに停止するため、電流も直ぐに停止する。
A磁石をコイルから遠ざけた場合、一方向への「エーテル」の流れの中で安定し同じ場所に静止していた自由電子は「エーテル」の流れがなくなるため、@同様に「素粒子における運動の法則」に基づき、それまでの「エーテル」の流れと反対方向に瞬間的に移動しその後移動を停止するため、磁石を近づけたときに発生した電流と反対方向に流れる電流を瞬間的に発生する。
が判明した。

また、電磁誘導において磁極をコイルに近づけた場合に発生する誘導電流の方向が、N極をコイルに近づけた場合に磁石から見て左回転であり、S極をコイルに近づけた場合に磁石から見て右回転であることより、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)が進行方向に向かい右回転であり、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)が進行方向に向かい左回転であることも判明した。

考察

電流による磁界の発生

上記、磁界の変化によりコイルに電流が発生する電磁誘導の機序を明らかにしてきたが、反対に、コイルに電流を流すと磁界が発生することが観察されている。しかし、この現象も電磁誘導と同様に、電流を流すと発生する磁界の向きや、電流の強さと磁界の強さとの関係など、観察により明らかとなる電流と磁界の発生についての法則は判明しているが、電流を流すと磁界が発生する機序については判明していない。

以下、電流による磁界の発生機序について、磁力量子と磁力量子が作り出す磁界と磁界が描く磁力線に注目し考察する。

@)電流により循環型の磁力線が描かれる機序

磁界は磁力量子により形成されることが判明している。そのため、磁界の発生機序を考察するためには磁力量子の発生機序を解明する必要があるが、磁力量子も磁界もそれを直接見て観察することはできず、砂鉄により描かれる磁力線により磁界の様子を類推しそれを基に磁力量子の発生、作用機序を考察しなければならない。

そのため、電流による磁界の発生機序を考察するに当たり、電流により描かれる磁力線に注目し、磁力量子がどのように発生し空間に作用すれば、観察される磁力線を描くかを解明し、次にそれに基づき磁力量子の発生機序を検討する。

考察にあたり、考察の前提となる、電流により導線から発生する磁力量子について既に確定している事実を再確認する。
@磁力量子は常にN磁力量子とS磁力量子が対で発生することが論文5により判明している。このため、導線に電流を流した時に発生する磁力量子もN磁力量子とS磁力量子が同時に発生し直線上を反対方向にそれぞれ、進行方向に向かい右回転、左回転で進行している。
A磁力量子の作用により磁石となった砂鉄が反発せずにつながり円形の循環型の磁力線を描くことより、空間においてN磁力量子あるいはS磁力量子同士が交差することはなく、必ずN磁力量子とS磁力量子が交差する。
B磁力線が導線を中心としたきれいな同心円を描いていることより、磁界が導線を中心に均一に広がっていることがわかる。そのため、磁力量子は導線を中心に放射線状に広がり、磁界の全ての場所でN磁力とS磁力がつり合っている。
C磁界の強さは導線からの距離の2乗に反比例するのではなく単純に距離に反比例することより、電流により導線から発生する磁力量子は、球状(3次元の放射状)に広がっているのではなく、円状(2次元の放射状)に広がっている。

以上が、電流により導線から発生する磁力量子について確定している事実であるが、この4つの条件を満たす磁力量子について検討したところ、複雑なものから単純なものまで、いくつかの案が考えられたが、その中で一番単純な,磁力量子が導線の断面の円の接線として発生する場合について掘り下げて考察した結果、磁力線が円形の循環型となることを矛盾なく説明できた。

以下その概要を説明する。

円の周囲に存在する全ての点は中心に存在する円の2本の接線の交点となる。そのため、磁力量子が導線の断面の円の接線として発生する場合、導線周囲の磁界は全て磁力量子の交点として表される。この時、磁力量子は接点で発生し、接線上を接点を出発点として両方向にN磁力量子、S磁力量子が進行するため条件@が満たされ、接線が交差する場合は必ずN磁力量子とS磁力量子とが交差することより条件Aが満たされる。また、接線同士の交点は接点からの距離が同じものが、距離が近い順に内側から同心円状に並び、各交点でN磁力とS磁力がつり合っているため、条件Bが成り立ち、導線の断面の円の接線は各接点で断面と同じ平面上に存在する1本に決定するためCも成り立つ(図2)。



図2:導線周囲の磁力量子(電流の向きは画面の手前から奥)

図2:導線周囲の磁力量子
(電流の向きは画面の手前から奥)


以上が、直線状の導体に電流を流した場合に導線の周囲に電流の方向に向かい右回りの循環型の磁力線が描かれる機序の一番簡単な説明であるが、以下、磁力量子が導線の断面の円の接線として発生する機序について考察する。

A)電流による磁力量子の発生

本考察では、磁力量子が導線の断面の円の接線として発生する場合についてのみ、その機序を検討する。

磁力量子は、不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に引力量子が達した瞬間に「エーテル」の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦と渦上下の「エーテル圧」の低い部分の組み合わせとして同時に2個発生し、その後、回転を維持したまま、それまでの進行方向に垂直な上下方向(渦の回転軸の延長方向)に進行することが判明している(論文5)。そのため、磁力量子が導線の断面の円の接線として発生するためには、磁力量子が接点で発生し、その後接点を出発点として接線上をN磁力量子とS磁力量子として進行しなければならず、そのためには以下の条件を満たさなければならない。
@接点に一方向への「エーテル」の流れが存在する。
A磁界が発生するのは電流が流れた場合のみなので、「エーテル」の流れは電流(電子の移動)により作られる。ただし、電流を流した場合の導線中の電子の移動速度は1秒に数ミリと非常に遅いため、単に電子が移動しただけでは磁力量子が発生するために必要な速さの「エーテル」の流れはできない。
B磁力量子は接点で発生し、導線に対して垂直な接線上(渦の回転軸の延長方向)を進むことより、接点における「エーテル」の流れる方向は長軸に平行である。
C電流により発生する磁界の向きが電流の流れる方向に向かい右回転であり(右ねじの法則)、引力量子が導線の中心方向から接点に進んで来て接点で磁力量子に変わるため、接点での「エーテル」の流れる方向は電流の流れる方向と反対でなければならない。

以上が、電流により断面の接点で磁力量子が発生するための条件であるが、これを全て満たす電子の流れを検討した結果、スピンの回転軸が接線に平行で接点における回転方向が電子の進行方向と同じである電子が移動する場合に成り立つ事が判明した。

以下、その概要を説明する。(図3)



図3:導線内部の電子の移動と「エーテル」の流れ(電子は右から左へ移動。したがって、電流の向きは左から右)

図3:導線内部の電子の移動と「エーテル」の流れ
(電子は右から左へ移動。したがって、電流の向きは左から右)


まず、@、Aについては、移動の方向が「回転軸の延長」と「回転軸に垂直」の違いはあるが「1-1磁力量子の作用で作られる「エーテル」の流れ」での説明と同様の機序により、スピンを持った電子が回転軸の向きを変えずに回転軸に垂直な方向に移動すると、電子の移動軸の上下に流れる向きが反対のマクロ的な大きさの「エーテル」の流れが形成されるため成り立つ。ただし、この時、このマクロ的な大きさの「エーテル」の流れは導線中の自由電子の移動により導線のいたるところで形成されるが、導線内部の流れは相殺し合うため、相殺する相手が存在しない、導線の表面(接点)の部分の流れだけが残る。

Bについては、電子のスピンの回転軸が接線と平行の場合、スピンの回転面は接線と垂直となるため、電子がスピンの回転軸を接線と平行としたまま導線を移動すれば当然成り立ち、CについてもN磁力量子が進行方向に向かい右回転であることより成り立つ。

以上、電流により磁界が発生する機序を、発生する磁力量子に注目し考察してきたが、なぜ、電子が移動する場合にスピンの軸が進行方向に対して垂直になり、スピンの向きが導線の表面(断面円の接点)において進行方向と同じになるのかの根本的な疑問は残ったままである。今後は、上記の疑問を解明するため電気学について研究し電流の正体を解明する必要があると考える。

ローレンツ力の発生機序

ローレンツ力とは磁場の中を移動する荷電粒子が受ける力であり、その力の向きや大きさは観察により明らかにされている。しかし、この現象も電磁誘導と同様に、観察により明らかとなる法則は判明しているが、その機序は判明していない。

以下、ローレンツ力についてその発生機序について、磁界や電子について現在までに判明している事実を基に考察する。

@)ローレンツ力の向き

今回の考察では、ローレンツ力の向きに注目し考察を進める。

ローレンツ力の向きは荷電粒子の移動の向きと磁界の向きにより決定される。具体的に電子が平面状で左右に引かれた直線上を移動する場合を考えると、電子の移動の向きと磁界の向きの関係は以下の四つになる。
@電子の移動が左から右で磁界の向きが平面の表から裏。
A電子の移動が左から右で磁界の向きが平面の裏から表。
B電子の移動が右から左で磁界の向きが平面の表から裏。
C電子の移動が右から左で磁界の向きが平面の裏から表。

なお、ローレンツ力は、荷電電子の移動の向きと磁界の向きが平行の場合は働かず、力の大きさは移動の向きを磁界に対し垂直な成分と平行な成分に分け、垂直な成分のみを考慮すれば良いため、上記では移動の向きと磁界の向きは全て垂直とする。

それぞれについて観察される力の向きは、@とCが下、AとBが上となる。(参考:左手の法則など)

A)ローレンツ力の発生機序

一般に、進行方向に対し回転軸が垂直な渦が空気中を移動すると、進行方向に対し右回転の渦では右、左回転の渦では左に曲がる。これは、渦の移動により生じる向かい風と渦の回転により生ずる空気の流れが、右回転の渦では右側で強め合い左側で弱め合い、左回転の渦では左側で強め合い右側で弱め合うため、渦の左右で空気の流れの速度に違いができ、空気の流速が速くなり圧力が弱くなった側が流速が遅くなり圧力が強くなった側から押されるためである。(ベルヌーイの定理により)

以上を踏まえ、「エーテル」中を移動するスピン(「エーテル」の渦)を持つ電子について考察し、ローレンツ力の発生機序を明らかにする。

まず、磁場のない「エーテル」中を直進している電子について考察する。 スピンを持つ電子が「エーテル」中を直進するためには、移動により生じる「エーテル」の向かい風をスピンによる「エーテル」の流れが場所や時により強たり弱めたりするのではなく均一に影響を与える必要があるが、それを満たすのはスピンの回転軸が進行方向に平行な場合(いわゆるジャイロ回転)のみである。そのため、磁界が存在しない空間(「エーテル」中)を直進する電子はスピンの回転軸を進行方向に平行な状態を保ち移動していると考えられる。

次に、磁場のない「エーテル」中を直進している電子が磁場に入った場合について考察する。

「エーテル」中を直進している、スピンの回転軸が進行方向に平行な電子が磁場に侵入すると、論文5の「3-4.鉄などの強磁性体が磁力を発生する機序」で明らかにしたように、電子の回転方向が磁力量子の回転方向と一致するため、電子の回転軸は磁界の向き(磁力量子の進行方向)と平行になる。そのため、磁界の向きが電子の進行方向に垂直な場合は電子の回転軸も進行方向に垂直となり、ベルヌーイの定理に基づき進行方向が曲がるが、この進行方向を曲げる力がローレンツ力だと強く示唆される。

以上が力の向きに注目し導き出した、ローレンツ力の発生機序であるが、
以下、検証のため、この発生機序を上記で具体的に分類した4つの場合に当てはめ、その結果を実際の観察結果と比較する。

@は磁場に入ると磁力量子の渦が右回転のため電子のスピンの回転も右回転となり、進行方向が左から右のため、電子の移動により生じる「エーテル」の向かい風とスピンにより生ずる「エーテル」の流れが、電子の下側(進行方向へ向かい右側)で強め合い電子の上側(進行方向に向かい左側)で弱め合うため「エーテル」の流れが電子の上側より下側のほうが速くなる。そのため、電子の上側のほうが「エーテル圧」が強くなり上側から下側に押されるのでローレンツ力は下向きとなる。(ベルヌーイの定理により)

Aは磁場に入ると磁力量子の渦が左回転のため電子のスピンの回転も左回転となり、進行方向が左から右のため、電子の移動により生じる「エーテル」の向かい風とスピンにより生ずる「エーテル」の流れが、電子の上側(進行方向へ向かい左側)で強め合い電子の下側(進行方向に向かい右側)で弱め合うため「エーテル」の流れが電子の下側より上側のほうが速くなる。そのため、電子の下側のほうが「エーテル圧」が強くなり下側から上側に押されるのでローレンツ力は上向きとなる。(ベルヌーイの定理により)

B、Cについては、
電子が磁場に入ると電子のスピンはBは右回転、Cは左回転となり、進行方向が両者とも右から左のため、「エーテル」の流れが、スピンが右回転のBは電子の上側(進行方向へ向かい右側)で強め合い電子の下側(進行方向へ向かい左側)で弱め合い、スピンが左回転のCは電子の下側(進行方向へ向かい左側)で強め合い電子の上側(進行方向へ向かい右側)で弱め合う。そのため、以下、@、Aと同様の機序によりローレンツ力の向きはBが上向き、Cが下向きとなる。

以上、磁力量子と電子が持つ「エーテル」の渦の関係にベルヌーイの定理を適用し導き出された、ローレンツ力の発生機序を具体的な4つの場合に適応させた結果、考察の結果導き出されたローレンツ力の力の向きと観察により確認される力の向きが一致した。このことより、考察により導きだされたローレンツ力の発生機序が正しいことが強く示唆される。

今回の考察では、ローレンツ力の向きに注目し発生機序を考察し、それが観察結果と一致し矛盾しないことを示したが、今後、力の強さや電子の進行方向と磁界が垂直でない場合などについてより詳細な考察が必要である。

おわりに

電磁気学は、名前の通り電気と磁気についての学問ですが、電気と磁気をそれぞれ独立した学問とせずにまとめて電磁気学とする理由は、磁場の変化により電気が発生したり(電磁誘導)、電流により磁場が発生する(電磁石)など、両者が非常に深い関係であり互いに影響を及ぼし合っているため、独立して研究することが不可能だからです。

前論文「 「エーテル」の存在を前提とした電磁気学T 〜磁力の発生と作用機序について〜 」では、磁力の発生とその作用機序を明らかにしましたが、本論文では、電気の発生機序や作用機序を明らかにするための第一歩として、電磁誘導について考察しました。前論文で判明した磁力量子の構造や性質と新エーテル理論においてこれまでに判明している素粒子(電子も含む)や原子の構造や性質をはじめ、「エーテル」中での物質(素粒子)の運動法則を基に電磁誘導がなぜ起こるのかについて、その機序を理論的に明らかにしました。

しかし、残念ながら電磁誘導の機序の解明だけでは、電気の発生機序や作用機序を明らかにすることはできませんでした。そのため、本論文の考察において、電流により導線周囲に作られる磁界の正体を明らかにし、そこから帰納的に電子が導線を流れる様子を解明し、あわせて、ローレンツ力の発生機序を解明し荷電粒子(電子)がどのように空間を移動するのかを明らかにしました。

両者とも、まだまだ不十分な考察ではありますが、この論文をお読みになった皆様が、新エーテル理論に興味を持ちその研究に取り組むきっかけになればと思い公開させていただきました。皆様が「新エーテル理論」の検証に参加して下さることを願っています。

参考文献

1)「エーテル」引きずり仮説と光行差についての再検討
   2)「エーテル」の存在を前提とした相対性理論の再検討
   3)「エーテル」の存在を前提とした万有引力についての考察
   4)「エーテル」の存在を前提とした宇宙の成り立ち
   5)「エーテル」の存在を前提とした電磁気学T
           〜磁力の発生と作用機序について〜

論文は以上です

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「エーテル」の存在を前提とした電磁気学U 〜電磁誘導について〜


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Copyright (C) 2012 Yukihiko Hoshino
初版:2024年10月18日、最終更新:2024年10月22日
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