新エーテル理論

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「エーテル」の存在を前提とした電磁気学T
〜磁力の発生と作用機序について〜

論文の紹介

今回の論文のテーマは磁力です。電磁気力の一部である磁力について、「エーテル」の存在を前提に、その発生・作用機序を検討しました。新エーテル理論では、すでに 論文3:「エーテル」の存在を前提とした万有引力についての考察 において、エネルギーの実体が「エーテル」であることが導き出されており、自然界に存在する、引力、電磁気力、強い力、弱い力の四つの力は「エーテル」が運動することにより力をおよぼしていると考えます。今回、磁力が、力の到達距離で分類すると、到達距離が無限大で力の大きさが距離の2乗に反比例し引力と同じ性質を持つが、力の強さで分類すると、強い力、弱い力と同様に引力に比べ極端に強いことに注目し、その発生・作用機序について検討しました。

その結果、磁力は、「エーテル」の渦とその上部の「エーテル圧」の低い部分で構成された磁力量子(引力量子になぞらえ磁力量子と名づけた)が発生源で同時に2個発生し、その後「エーテル圧」の低い部分を先頭に空間を連鎖的に伝わり離れた物質に力を直接およぼしていることが判明し、磁石に磁気単極子が存在しない理由や磁力に引力と斥力がある理由、鉄などの強磁性体が磁石に引き付けられ強磁性体自身も磁石となる機序など、磁石の構造や性質を理論的に説明でき、磁力の発生・作用機序が明らかになりました。

本論分は、前報 論文4:「エーテル」の存在を前提とした宇宙の成り立ち の発表から4年4か月での完成ですが、論文3の後に一度書き始めたのですがあまりの難しさに断念した経緯があるため、実際には、完成に足掛け8年も掛かってしまいました。ようやく完成でき本当にホッとしています。論文を書き始めた段階では、スピンを持つ電子が移動すると磁気を発生することや自転している地球が地磁気を持つことより、単純にスピンにより発生する「エーテル」の渦が磁力の発生源であり、電子が移動することにより「エーテル」の渦が筒状になることで、筒の上下からの視点により回転方向に違いができ、それが磁極の違いを生じさせると考えていました。そしてそう考えれば、同磁極同士で斥力が働き異磁極同士で引力が働くことは対面する磁極の「エーテル」の渦の回転方向の関係で説明可能であるし、地球が地磁気を持つのは、地球が巨大であるため、自転しているだけでも、周囲にできる「エーテル」の渦が筒状になっているとみなせるためだと説明できる、と考えていました。

しかし、この考え方では、磁力量子が発生し、「エーテル」の渦を持ったまま空間を伝わる機序を説明することがどうしてもできず、結局断念し別の考え方を模索することにしました。そのため、磁力量子の発生源となる原子の構造について改めて詳しく勉強すると同時に、現在判明している磁力の発生要因について勉強しなおしました。そして、磁力の発生には不対電子の存在が不可欠であることと不対電子が存在する電子雲に「エーテル」が一方向に流れている領域が存在することに気づき考察を進め、今回、やっと納得のいく磁力量子の発生・伝達機序を導き出すことができ、それを前提に磁力の発生・作用機序を解明できました。論文3の万有引力同様、磁力について、その発生・作用機序を理論的に解明した論文は本報が初めてであると自負しています。ぜひ、御一読くださるようお願い致します。

新エーテル理論では、すでに4本の論文を発表し、現在広く信じられている、「エーテル」が存在しないことを前提とする物理理論に代わる、「エーテル」の存在を前提とする新たな物理理論を提示してきました。そして今回、磁力についても、「エーテル」の存在を前提にしその発生・作用機序を明らかにすることができ、このことより、新エーテル理論の正しさがさらに強く示されたと考えます。私は、新エーテル理論は物理学が目指す究極の理論である「超大統一理論」になりうる理論だと考えます。「エーテル」の存在を認め、それを前提とし現在の物理現象を検討しなおすことで新たに様々な理論を導き出すことがます。今までの理論で説明されてきた現象を別の理論で説明したり、今までの理論では説明が困難だったり、不可能だった現象を簡単に説明することもできます。一人でも多くのひとがこの論文を読み、新エーテル理論に興味を持ち検証に参加してくださることを強く願います。

2021年9月16日


ご意見、ご感想

論文からの抜粋です

要約

「エーテル」の存在を前提に電磁気力について考察した結果、磁力を伝える磁力量子は、原子核の収縮で発生した引力量子が原子核周囲の電子が対で存在し「エーテル」がランダムに運動している電子雲から電子が単独で存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に到達した瞬間に、電子雲の「エーテル」の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦と渦上下の「エーテル圧」の低い部分の組み合わせとして同時に2個発生し、その後、回転を維持したまま、それまでの進行方向に垂直な上下方向に分かれて進行することが判明した。

このとき発生した磁力量子はそれぞれの進行方向に対し回転の方向が逆となるが、進行方向に向かい右回転の磁力量子を、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)、進行方向に向かい左回転の磁力量子を、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)と仮定し、磁力の発生と作用機序について検討した。その結果、磁石が同じ磁極同士に斥力が働き、異なる磁極同士に引力が働く理由や鉄などの強磁性体が磁石に引き付けられ、強磁性体自身も磁石となる機序など、磁石の構造や性質を理論的に説明でき、磁力の発生・作用機序が明らかになった。

はじめに

新エーテル理論では、すでに以下の4つの論文
     論文1:「エーテル」引きずり仮説と光行差についての再検討
     論文2:「エーテル」の存在を前提とした相対性理論の再検討
     論文3:「エーテル」の存在を前提とした万有引力についての考察
     論文4:「エーテル」の存在を前提とした宇宙の成り立ち
を発表してきた。(以下、本論文中ではそれぞれの論文を論文番号で示す)

新エーテル理論では、これらの論文を通し、現在広く信じられている、「エーテル」が存在しないことを前提とする物理理論に代わる、「エーテル」の存在を前提とする新たな物理理論を提示してきた。

本論文では、「エーテル」の存在を前提とし、磁力の発生と作用機序について考察した。

新エーテル理論では、すでに論文3において、エネルギーの実体が「エーテル」であることが導き出されており、自然界に存在する、引力、電磁気力、強い力、弱い力の四つの力は「エーテル」が運動することにより力を及ぼしていると考える。

四つの力をその力の到達距離で分類すると、到達距離が無限大で力の大きさが距離の2乗に反比例する、引力と電磁気力。到達距離が非常に短い、強い力と弱い力とに分けられる。また、力の強さで分類すると、他の三つの力に比べ引力だけが極端に弱いことが観測されている。

力の到達距離の違いは力を伝える方式の違いであり、力の強さの違いは「エーテル」の運動量の違いであると考えられる。

このことより、電磁気力の一部である磁力も、力の伝え方は引力と同様に、力を伝える「エーテル」の運動の最小単位である磁力量子(引力量子になぞらえ磁力量子と名づけた)が力の発生源で発生し、その「エーテル」の運動が空間を連鎖的に伝わることにより離れた物質に力をおよぼしていると考えられるが、力を伝える「エーテル」の運動量は引力に比べ極端に大きなものであると推測される。

今回、磁力の発生とその作用機序を明らかにするため、磁力の本体である磁力量子について、性質が似通っている引力量子と比較検討し、その発生、伝達、作用機序について考察した。

その結果、磁力量子は、原子核の収縮で発生した引力量子が原子核周囲の電子が対で存在し「エーテル」がランダムに運動している電子雲から、電子が単独で存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に達した瞬間に、電子雲の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦と渦の上下の「エーテル圧」の低い部分の組み合わせとして同時に2個発生し、その後、回転を維持したままそれまでの進行方向に垂直な上下に分かれて進行し、空間を伝わることが判明した

このとき発生した磁力量子はそれぞれの進行方向に対し回転の方向が逆となるが、進行方向に向かい右回転の磁力量子を、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)、進行方向に向かい左回転の磁力量子を、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)と仮定し、磁力の発生と作用機序について検討した。その結果、磁石が同じ磁極同士に斥力が働き異なる磁極同士に引力が働く理由や、鉄などの強磁性体が磁石に引き付けられ強磁性体自身も磁石となる機序など、磁石の構造や性質が理論的に説明でき、磁力の発生・作用機序が明らかになった。

以下その詳細を報告する

1.原子における引力量子の発生

1- 1.原子の構造

原子における引力量子の発生機序の解明のため、その舞台となる原子の構造について、「エーテル」の存在を前提として改めて考察する。

原子核について

新エーテル理論が考える原子核については、論文3の考察のE.四つの力について の強い力と弱い力の検討の中でその詳細を示したが、以下、引力量子の発生に重要な役割を果たす原子核について、改めてその概要を示す。

原子核は陽子と中性子でできており、それぞれ、素粒子であるクォークが3つ集まり形成されている。

新エーテル理論では、素粒子は全て「エーテル」で構成され、「エーテル」が一点に集まり塊となった粒子の状態と、空間に広がって存在する波の状態とを非常に短期間に繰り返しており、素粒子を構成している「エーテル」が波の状態の時に一定方向に流れ形成する渦の回転がスピンであると考える。そのため、陽子および中性子(以下まとめて核子と総称する)の内部ではクォークを形成する三つの「エーテル」の渦が存在すると考えることが出来る。

回転方向が反対な二つの渦が近づいた場合、接近面での「エーテル」の進行方向は同じとなるため、渦と渦の間のエーテル圧が低くなり、二つの渦は近接面の反対側から押されて衝突し、ひとつの流れに合体し渦は消滅してしまう。そのため、核子の中に存在する三つのクォークの「エーテル」の渦は、全て同じ方向に回転していなければならない。この時、三つの渦は互いに反発し合いうが、渦が粒子になった場合はエーテル圧が低下するため再び接近する。したがて、核子内の3つのクォークの「エーテル」の渦は、すべて同じ方向に回転し、接近したり遠ざかったりを繰り返しながら、一定の距離を取って存在していると考えられる。

同じ方向に回転している渦が一定の距離の中で接近したり遠ざかったりを繰り返していると、ある時点で渦と渦の間に反対方向に回転する新たな渦が発生する。すると、回転が反対同士の渦の間では引き合う力が働くため、新しくできた渦が両わきの渦を引き寄せ、結果的に回転方向が同じ渦どうしを引き寄せることになる。この新しくできた、クォークと回転方向が反対の渦が、ウィークボゾンであると考える。陽子や中性子の中では同じ方向に回転している三つのクォークの渦が頂点となり、頂点と頂点の間に、両わきのクォークの渦に接し反対方向に回転しているウィークボゾンの渦が存在していると考えられる。

また、三角形の頂点に同じ方向に回転する「エーテル」の渦が存在する場合、三つの渦の外側に、三つの渦を取り囲む、渦と同じ方向の「エーテル」の流れが生じると考えられる。この三つのクォークを取り囲んで流れる「エーテル」の流れがグルーオンであると考える。つまり、グルーオンは、三つのクォークやウィークボゾンとその周囲の「エーテル」も含め、全てを取り囲み核子の境界を形成することにより、内部のクォークを結び付けていると考えられる。

以上のことより、核子は、その内部で3つのクォークが弱い力の本体であるウィークボゾンの「エーテル」の渦により結合され、核子の境界は強い力の本体であるグルーオンの「エーテル」の渦により形成され(図1)、一個の独立した粒子として存在する。

原子核内部に複数存在する、「エーテル」の渦(グルーオン)に取り囲まれた核子は、核子内部でクォークを形成する「エーテル」の渦がウィークボゾンやグルーオンによりひとつにまとめられたのと同じ機序により、複数がまとめられ、グルーオンを境界とする新たな粒子(α粒子など)を作る。(図2)

新たにできたα粒子も、同様に、他のα粒子や単独で存在する陽子、中性子たちと境界の「エーテル」の渦(グルーオン)が作用し互いに引力を及ぼし同様の機序により複数がまとめられ、グルーオンを境界とする粒子となり、それが繰り返され、最終的に全ての核子がグルーオンを境界としひとつの粒子としてまとめられた原子核となる。


jrk1.png 図1:核子(陽子、中性子) jrk2.png 図2:α粒子

以上が、「エーテル」の存在を前提とした原子核の構造であり、原子内部で、原子核は境界をグルーオンで囲まれた独立した粒子として存在し、内部の素粒子であるクォークが波の状態から粒子の状態に変化すると、内部の「エーテル圧」が低くなり境界のグルーオンが周囲の「エーテル」に押されることにより収縮し、反対に内部のクォークが粒子の状態から波の状態に変化すると内部の「エーテル圧」が上昇し境界のグルーオンが外に押され拡大する。

電子殻と電子雲

次に、原子核周囲の電子が存在する空間である、原子殻とそれを構成する電子雲について「エーテル」の存在を前提に考察する。

新エーテル理論では、電子雲は電子を構成する「エーテル」とその周囲に存在し電子と一緒に移動している「エーテル」で構成されていると考える。

従来、原子中の電子は、惑星がそれぞれ太陽の周りを一定の軌道を描いて回っているのと同じように、原子核の周りに階層状に存在する決まった軌道上を回っていると考えられていた。この軌道が電子殻であり、内側からK殻、L殻、M殻、N殻、・・・と呼ばれ、それぞれ、最大2個、8個、18個、32個、・・・の電子が収容されることが判明していた。

しかし、現在では、電子は波の状態と粒子の状態を取ることより、惑星の様に決まった軌道上を回っているのではなく、一定の範囲に雲の様に広がって存在していると考えられており、この雲状の電子の広がりを、電子雲と呼んでいる。

電子雲の雲状の電子の広がりは、電子が存在する確率密度を波動関数により計算し、電子が存在する確率の高いところほど濃い雲として表したものであり、実際の電子の軌道を表している。

電子雲には、s軌道、p軌道、d軌道、f軌道、・・・と分類される、形の異なるいくつかの種類があり、上記の階層状をした電子殻の中に存在している。

電子殻に存在する電子雲の種類と数は各電子殻ごとに決まっており、外側の電子殻になるに従い存在する電子雲が多くなる。

具体的には、K殻にはs軌道、L殻にはs軌道とp軌道、M殻にはs軌道とp軌とd軌道、N殻にはs軌道とp軌とd軌道とf軌道が存在する。

電子雲と電子軌道

s軌道、p軌道、d軌道、f軌道、・・・と分類される電子雲は、電子が2個収容可能な電子軌道で構成され、それぞれs軌道に1個、p軌道に3個、d軌道に5個、f軌道に7個の電子軌道が存在している。

電子軌道が1個存在するs軌道は、丸い形の電子軌道1つで構成されており、電子を2個収容できる。

電子軌道が3個存在するp軌道は、全て亜鈴型で、亜鈴の軸方向が異なる3つの電子軌道(px軌道、py軌道、pz軌道)で構成されている。このため、p軌道全体では2×3で6個の電子を収容できる。

電子軌道が5個存在するd軌道は、4つの四葉型の電子軌道(dxy軌道、dxz軌道、dyz軌道、dx−y軌道)と1つの亜鈴型の電子軌道(dz軌道)で構成されておりおり、全体で2×5の10個の電子を収容できる。

さらに、f軌道には、7つのきれいな形の電子軌道が存在し、全体で2×7の14個の電子を収容できる。

電子配置

電子配置とは、原子に電子がどのように収容されているかを表したものである。

以下に示す3つの規則
     @エネルギーの低い軌道から順番に電子が収容される。(構成原理)
     A1つの軌道に収容できる電子は最大2個までで、2個入る場合はスピンの向きが逆になる。(パウリの排他原理)
     Bエネルギーの等しい軌道が複数ある場合は、収容される電子ができる限り均等になるように、同じ向きのスピンの電子が複数の軌道に分かれて収容される。(フントの規則)
に従い電子が軌道に入っていく。

なを、@の構成原理では、エネルギー順位について注意が必要となる。エネルギー順位は原子核に近い内側の殻ほど低いと考えられているが、原子軌道のエネルギー順位は、必ずしも電子殻の番号通りではなく、図3のように、右上から矢印が降り注いだような順番になる。


jrk3.png 図3:原子軌道のエネルギー順位

以下、具体的に炭素、酸素、アルゴンと強磁性体である鉄について電子配置を示す。

原子番号6の炭素(C)は6個の電子を所有し、順番に1sに2個、2sに2個、2pに2個電子を収容するが、2pでは、フントの規則に従いに3つある軌道のうちの2pxと2pyに1個づつ収容される。

配置された電子の様子を文字で表すと1s22s22px2py(1s22s22p2)となる。

原子番号8の酸素(O)は8個の電子を所有し、順番に1sに2個、2sに2個、2pに4個電子を収容するが、2pでは、フントの規則に従い、先ず、3つある軌道の2px、2py、2pzに1個づつ収容され、最後に残った一個の電子が2px等に、パウリの排他原理に従い、最初に収容された電子とスピンの向きを逆にして収容される。

配置された電子の様子を文字で表すと1s22s22px22py2pz(1s22s22p4)となる。

原子番号18のアルゴン(Ar)は18個の電子を所有し、順番に1sに2個、2sに2個、2pに6個、3sに2個、3pに6個電子を収容するが、全ての軌道で収納される2個の電子はスピンの向きが逆になる。

配置された電子の様子を文字で表すと1s22s22px22py22pz23s23px23py23pz2(1s22s22p63s23p6)となる。

原子番号26の鉄(Fe)は26個の電子を所有し、順番に1sに2個、2sに2個、2pに6個、3sに2個、3pに6個電子を収容する(ここまではArと同じ)が、次は3dよりも4sの方がエネルギー順位が低いため、先ず4sに2個収容され、残りの6個の電子が3dに収容される。

この時、フントの規則に従いに従い、先ず、3dに5個ある軌道(3dxy、3dxz、3dyz、3dx−y、3dz)に1個ずつ収容され、最後の1個がすでに収納されている電子とスピンの向きを逆にし3dxy等に収納される。

配置された電子の様子を文字で表すと1s22s22px22py22pz23s23px23py23pz23dxy23dxz3dyz3dx−y3dz4s2(1s22s22p63s23p63d64s2)となる。

電子雲の「エーテル」の流れ

電子雲の本体である電子軌道には2つの電子が収容できるが、この時収容される電子は互いにスピンの向きを逆にして入る(パウリの排他原理)。そのため、それぞれのスピンでもたらされる「エーテル」の流れは互いに打ち消しあい、電子雲全体としてはランダムなものと成る。

一方、電子軌道に1つの電子しか収容されていない場合は、電子雲の「エーテル」の流れは収容されている電子が波の状態のときの「エーテル」の渦が重なり合ったものとなる。

一定の領域において同方向へ回転している無数の「エーテル」の渦が重なり合った場合、渦の隣接部では「エーテル」の流れが逆向きとなるため、「エーテル」の流れは打ち消し合う。そのため、領域の境界部分にのみ「エーテル」の渦と同方向の「エーテル」の流れができる。

そのため、不対電子(電子軌道に最初に入り単独で存在する電子)を持つ電子雲では、内部ではランダムな「エーテル」の流れとなっているが、境界部分の「エーテル」は不対電子のスピンと同方向の流れとなっている。

また、複数の不対電子が存在する原子では、フントの規則に従い、不対電子のスピンは全て同じ方向になることが知られている。

以上のことより、不対電子が存在する電子雲の境界部分の「エーテル」は、収容する不対電子のスピンと同方向の流れとなっており、原子に不対電子が存在する電子雲が複数存在する場合、その境界部分の「エーテル」の流れが全て同じ方向と成ることが判明した。

1- 2.原子における引力量子の発生機序

現在、原子の質量は原子核を構成する陽子と中性子の数により決定されることが判明している。

そのため、原子が発生する引力量子は原子核に由来する引力量子と考えることが妥当である。

1-1.原子の構造 で明らかになったように、原子内部で、原子核は境界をグルーオンで囲まれた独立した粒子として存在し、内部の素粒子であるクォークが波の状態から粒子の状態に変化すると、内部の圧力が低くなり境界のグルーオンが周囲の「エーテル」に押されることにより収縮し、反対に内部のクォークが粒子の状態から波の状態に変化すると内部のエーテル圧が上昇し境界のグルーオンが外に押され拡大する。

この様に、原子核は素粒子と同様に収縮と拡大を常に繰り返しているため、原子核でも素粒子における引力量子の発生と同じ機序により引力量子が発生すると考えられる。

つまり、原子核が収縮したときに引力量子が発生し、それが周囲の電子雲を伝わり原子の外へと進み周囲に引力を作用させるのである。

2.原子における磁力量子の発生

磁力は引力と違い、全ての物質が発生するのではない。そのため、磁力量子も全ての原子で発生するものではなく、発生する原子と発生しない原子がある。

鉄、コバルト、ニッケルなど外部から磁力が加えられると磁石になる物質は強磁性体と呼ばれ、原子自体が磁気モーメントを持つことが知られている。そのため、強磁性体の原子は磁力量子を発生していると考えられる。

以下、原子が磁気モーメントを持つ鉄などの強磁性体の原子における磁力量子の発生機序について検討する。

2-1.磁力量子の発生と不対電子

現在、原子に生じる磁気(磁気モーメント)は、電子の2種類の運動により生じることが知られている。1番目は原子核の周りを回る電子の軌道運動で、2番目は電子のスピンである。

電子のスピンにより生じる磁気モーメントは電子の軌道運動で生じる磁気モーメントよりもずっと強く、結果的に原子の磁気モーメントは電子のスピンにより決定されることになり、その強さは個々の電子のスピンにより発生する磁気モーメントの総和になる。

電子のスピンにより発生する磁気モーメントはスピンの向きによりその方向が決定するため、スピンの向きが反対な電子同士では完全に相殺する。

そのため、電子軌道に2個電子が収容されている場合は、パウリの排他律より2個の電子のスピンの向きが互いに逆向きとなるため、磁気は相殺され発生しない。一方、電子軌道に1個の電子(不対電子)のみが収容されている場合は、発生した磁気は、フントの規則より原子中の不対電子のスピンの向きが全て揃っているため、相殺されることはない。

したがって、原子が磁力を発生するのは原子が不対電子を持つ場合だけであり、その強さは不対電子の数で決まることになる。

実際、鉄などの強磁性体は不対電子を持っており、発生する磁気の強さは持っている不対電子の数に比例することが知られている。

一方、磁力量子の定義より、磁気の強さは磁力量子の発生数に比例する。

したがって、磁力量子の発生には不対電子の存在が不可欠であり、発生量は不対電子の数に比例することが導き出される。

2-2.磁力量子の発生と電子雲

不対電子が存在する電子雲では、境界部分の「エーテル」の流れは収容されている不対電子のスピンと同方向となり、原子に不対電子が存在する電子雲が複数存在する場合は、不対電子の存在する電子雲の境界部分の「エーテル」の流れは全て同じ方向と成ることが先に示されている。

このことより、不対電子を持つ原子と不対電子を持たない原子の違いは、原子殻に「エーテル」が一方向への流れを持つ領域が存在するかしないかであり、不対電子を持つ原子では原子殻に「エーテル」が一方向へ移動する領域が存在し、その領域の広さは、存在する不対電子の数に比例することになる。

一方、磁力量子の発生には不対電子の存在が必須であり、発生量も不対電子の数に比例していることが判明している。したがって、磁力量子の発生には、原子殻に「エーテル」が一方向へ移動する領域が存在することが必要であり、その領域の広さに発生量が比例することが理論的に導き出される。

以上のことより、磁力量子は原子核の収縮により発生した引力量子が原子殻に存在する「エーテル」が一方向へ移動する領域により何らかの影響を受け、磁力量子に変化するのではないかと強く推測される。

以下、引力量子が原子殻の「エーテル」が一方向へ移動する領域の作用により磁力量子に変化する機序について検討する。

2-3.磁力量子の発生機序

「エーテル」の渦の形成

原子核の収縮により発生した引力量子は周囲の「エーテル」がランダムな運動をしている電子雲を伝わる場合は論文3で示した機序により原子の外へと伝わっていく(図4)。


jrk4.png 図4:引力量子の伝達機序(進行方向右、上から見た図)論文3 P11より

しかし、不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向へ流れている領域に達すると、それまで引力量子の進行方向に平行に流れ込んできた「エーテル」は、電子雲中を一方向へ流れているもともとの進行方向への運動と「エーテル圧」により引力量子へと向かう運動が合成され、斜めに進行し引力量子の側壁へと向かう。(以下、図4と同様に引力量子の進行方向を図の右側として説明する。)そして、引力量子の側壁から進入してくる「エーテル」と衝突し進行方向を左斜め後ろに変え、引力量子の底壁へと向かう(図5のエーテル@)。

引力量子の底壁へと達した「エーテル」は、底壁の「エーテル」と衝突し進行方向を左斜め後ろに変化させ、最初に衝突した側壁の反対側の側壁に向かう。そして、進入してくる「エーテル」と衝突し進行方向を左斜め後ろに変え、引力量子の進行方向側の「エーテル」の進入口へと戻る(図6のエーテル@、A)。

また、図6のエーテルB、Cのように引力量子の壁から遠い「エーテル」は、壁に達する前に先に壁に達した「エーテル」(図6のエーテル@、A)が作り出す「エーテル」の流れに巻き込まれ、一緒に「エーテル」の流れを形成し、同様に「エーテル」の進入口へと戻る。

進入口に戻った「エーテル」は、新たに進入してくる「エーテル」と衝突し進行方向を左斜め後ろへと変え、新たに進入してきた「エーテル」と一緒に側壁へと向かう。

以後、この一連の動きを、引力量子内の「エーテル圧」が周囲と同じになるまで繰り返すことにより、「エーテル」の渦を形成する。


jrk5.png 図5 jrk6.png 図6

磁力量子の発生

引力量子が「エーテル」を伝わる機序を示した図4において、図中の上下にある側壁から「エーテル」が同時に同じ「エーテル圧」により流れ込むため、最終的に側壁の外側にできる「エーテル圧」の低い部分がなくなることを示したが、実際には、図には示されていないがもう一対ある向かい合った側壁でも、図に示した側壁と同じ機序により「エーテル圧」の低い部分が最終的になくなる。

一方、引力量子の進行方向とその対面の壁(図4の引力量子の右と左)については進行方向にある「エーテル」の入り口からは「エーテル」が流れ込むが対面の壁からは「エーテル」が流れ込まないため最終的に「エーテル」の入り口の外側に新たに「エーテル圧」の低い場所ができる。この、唯一できる「エーテル圧」の低い部分が新たな引力量子となり、これを繰り返し引力量子は図の右側へと伝わっていく。

それに対し、「エーテル」の渦が内部に形成された引力量子では、「エーテル」の渦の回転に対面する壁(図6に描かれている引力量子の全ての側壁)では、「エーテル圧」により流れ込んできた「エーテル」は内部の「エーテル」の渦に巻き込まれるため一回転し流入口に戻る。そのため、最終的には流入口の外側にできる「エーテル圧」の低い部分は解消されてしまう。

しかし、図には示されていないがもう一対ある、形成された渦と平行な向かい合った側壁では、それぞれ、同時に同じ「エーテル圧」により「エーテル」が流れ込むが、流れ込んだ「エーテル」は内部に存在する「エーテル」の渦に巻き込まれ、新たな「エーテル」の渦を形成するため、対面の壁へと到達することができない。そのため、それぞれの側壁の外側に元の引力量子の半分の大きさ(半分になる理由は 考察:磁力量子と引力について を参照)の「エーテル圧」の低い部分が形成される。

この、新たに形成された「エーテル圧」の低い部分とそれに接する「エーテル」の渦が組み合わさったものが磁力量子であり、必ず同時に2個発生する(図7:それまでの引力量子の進行方向から見たモデル図)。

以下、引力量子が原子殻の「エーテル」が一方向へ移動する領域の作用により磁力量子に変化する機序を図7と同様にそれまでの引力量子の進行方向から見たモデル図を使い、詳しく説明する。

説明にあたり、引力量子の側壁のうち図の上下左右に示されている壁をそれぞれ上壁、下壁、左壁、右壁と表記し、図には示されていないが、引力量子の進行方向にあり、不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向へ流れている部分に接している壁を前壁、その対面の壁を後壁と表記する。

また、以後、新たにできたそれぞれの磁力量子の壁のうち、磁力量子の進行方向にある壁を頂壁、その対面のもう1つの磁力量子と接する壁を底壁、「エーテル圧」の低い部分と「エーテル」の渦が接する部分を隔壁と表記する。

残り4つの壁は通常は単に側壁と表記するが、特に区別が必要な場合は磁力量子の進行方向を上にした場合の左右の壁をそれぞれ左壁、右壁、図には示されていないが、もともとの引力量子の進行方向に存在している壁を前壁、その対面の壁を後壁と表記する。


jrk7.png 図7:磁力量子(引力量子の進行方向から見た図)

図8は、図6のすぐ後の様子を表している。図に示されているように、「エーテル」は引力量子の上下左右の側壁から流入して来るが、内部に存在する「エーテル」の渦に合流し巻き込まれ、渦を形成する「エーテル」の一部となる。

この時、「エーテル」の渦は流入してきた「エーテル」と衝突するため、回転の速度が減少する。しかし、もともとの引力量子の進行方向である図の正面の前壁に戻ると、「エーテル」が一方向へ流れている電子雲から流入してくる「エーテル」に衝突され、その速度を再び増加させる。

以後、この衝突による回転速度の増減を繰り返すが、やがて、渦を構成する「エーテル」の数が増加し「エーテル圧」が引力量子の周囲の「エーテル圧」と等しくなるとその部分への「エーテル」の流入がなくなるため、衝突による回転速度の増減がなくなり、一定の回転速度で安定し存在するようになる(「エーテル」の渦の完成)。

図9は「エーテル」の渦が引力量子の中央部から上下に向かい徐々に完成し柱状になって行く様子を表したものである。渦の完成に従い「エーテル」の流入が少なくなることを表している。

この時、図の上下壁からは、それぞれ、同時に同じ「エーテル圧」により「エーテル」が流れ込むが、流れ込んだ「エーテル」は内部に存在する「エーテル」の渦に巻き込まれ、「エーテル」の渦の一部となるため、対面の壁へと到達することができない。そのため、それぞれの壁の外側に「エーテル圧」の低い場所が形成される。

一方、形成された「エーテル」の渦の柱の側面に向かい合う壁(左右壁と前壁)では、「エーテル圧」により流れ込んできた「エーテル」は内部の「エーテル」の渦に巻き込まれるため一回転し流入口に戻る。そのため、「エーテル」の渦が完成し渦の「エーテル圧」と引力量子周囲の「エーテル圧」が等しくなると、流入口の外側にできる「エーテル圧」の低い部分は解消されてしまう。


jrk8.png 図8 jrk9.png 図9

図10は引力量子内の「エーテル」の渦がほぼ完成したところを表している。もともと引力量子だった領域全体が「エーテル」の渦となり、「エーテル圧」も周囲の「エーテル圧」とほぼ等しくなり、「エーテル」の流入もほぼなくなっている。もともとの引力量子の上下に新たに「エーテル圧」の低い部分が形成されている。

図11は完成した磁力量子である。「エーテル」の渦は完全に完成し、1つの大きな円柱形の渦と成っている。もともとの引力量子の進行方向の上下にそれぞれ、元の引力量子の半分の大きさの「エーテル圧」の低い部分ができている。この「エーテル圧」の低い部分とそれに接する「エーテル」の渦が組み合わさったものが磁力量子である。同時に上下2つの磁力量子が発生する。周囲から「エーテル」が流れ込む寸前を表している。


jrk10.png 図10 jrk11.png 図11

磁力量子が上下に進行する機序

次に、引力量子の上下にできた磁力量子がその強さを変えることなく空間を伝わる機序を図11の上下2つの磁力量子のうちの上の磁力量子についてモデル図(図12)を使い考察する。

なお、磁力量子が空間を伝わる場合、引力量子と同様に、「エーテル」の流れのある空間に入ると「エーテル」の流れと同速度で流されるため、「エーテル」の流れは相殺され、相対的に磁力量子に対し周囲の「エーテル」の運動はランダムとなる。そのため、以下の考察では「エーテル」の運動がランダムな空間を磁力量子が伝わる場合についてその機序を明らかにする。

「エーテル圧」の低い部分の下側に「エーテル」の渦を持つ磁力量子では、隔壁以外の前後左右及び頂壁より一斉に「エーテル圧」の低い部分に「エーテル」が流れ込んでくるが、側壁から流れ込んできた「エーテル」は頂壁からの「エーテル」に押され隔壁へと流れを変え隔壁の下に存在する「エーテル」の渦に衝突する。(図13)

運動量及び運動エネルギー保存の法則に従い、衝突し合ったエーテルは互いに運動の方向が入れ替わる。そのため、隔壁に向かって来て隔壁の下に存在する「エーテル」の渦に衝突した「エーテル」は渦を形成し、隔壁の直下で渦を形成していて上方から衝突された「エーテル」は渦を消滅させ下方へと向かう。(図14)。


jrk12.png 図12 jrk13.png 図13

jrk14.png 図14 jrk15.png 図15

図14において隔壁の上部に新たに形成された「エーテル」の渦は、さらに上部からやって来る「エーテル」と衝突し渦を消滅させ再び下方の隔壁へと向かい、上方より渦に衝突した「エーテル」は「エーテル」の渦を形成する(図15:磁力量子の「エーテル圧」の低い部分)。

また同時に、隔壁の直下で上方から「エーテル」に衝突され渦を消滅させ下方へ向かった「エーテル」は、下層に存在する「エーテル」の渦に衝突し、再び隔壁の直下で渦を形成し、渦を形成していた「エーテル」は渦を消滅させ渦の下層へと向かう。(図15:磁力量子の「エーテル」の渦の部分)。

以後同様の機序により、磁力量子内部で「エーテル」の渦は順番に以下のことを繰り返す。
     @上方から来る「エーテル」と衝突しそれまでの渦の直ぐ上に新たに「エーテル」の渦形成し、同時に自身は渦を消滅させ下方へと向かう。
     A下方に存在する「エーテル」の渦に衝突しその渦を消滅させ「エーテル」を下方へと向かわせ、同時に自身は再び「エーテル」の渦を形成する。(図15、16)。


jrk16.png 図16 jrk17.png 図17

磁力量子の「エーテル圧」の低い部分において、上記の繰り返しは、「エーテル圧」の低い部分へ「エーテル」が十分に流れ込み、磁力量子内部の「エーテル圧」が外部と等しくなり頂壁からの「エーテル」の流れ込みが止まるまで継続する。

頂壁からの「エーテル」の流れ込みが止まると、頂壁部分に形成された「エーテル」の渦は上方から来る「エーテル」に衝突されなくなるため、消滅することなく安定して存在するようになる。そのため、その直下に形成された「エーテル」の渦も上方から「エーテル」に衝突されることがなくなり、同様に安定して存在するようになる。その結果、頂壁から隔壁に向かい上から順番に「エーテル」の渦が完成して行く(図17:磁力量子の「エーテル圧」の低い部分)。

一方、磁力量子の「エーテル」の渦の部分では、上記の繰り返しは、底壁部の「エーテル」の渦が上方からの「エーテル」に衝突され渦を消滅させ下方の底壁直下のランダムな運動をしている「エーテル」に衝突するまで継続する。

「エーテル」の渦を消滅させ下方へ向かった「エーテル」は、ランダムな運動をしている「エーテル」に衝突するとランダムな運動をするようになる。また、衝突されたランダムな運動をしていた「エーテル」は下方へ向かい、ランダムな運動をしている「エーテル」と衝突し混ざり合い、最終的にランダムな運動をする「エーテル」となる。そのため、「エーテル」の渦は底壁から隔壁に向かい下から順番に消失して行く(図17:磁力量子の「エーテル」の渦の部分)。


jrk18.png 図18 jrk19.png 図19

図18は磁力量子が元の磁力量子の上部にほぼ移動した様子を現している。もともと「エーテル圧」の低かった部分に「エーテル」の渦が完成しその上部に新たに「エーテル圧」の低い部分ができている。「エーテル」の移動もなくなり、「エーテル圧」の低い部分の周囲にあった、「エーテル」が流れ込んだために一時的にできた、「エーテル圧」の低下した部分も「エーテル」の渦が形成されたためもとの圧力に戻っている。

元の磁力量子の「エーテル」の渦の部分は下部から順番に渦が消失しランダムな運動をしている「エーテル」と衝突し混ざり合いランダムな運動をしている「エーテル」の一部となっている。

図19は元の磁力量子(図12)の上部に移動した完成した磁力量子である。もともとの磁力量子の頂壁の上に、元の磁力量子の「エーテル圧」の低い部分と同じ大きさの「エーテル圧」の低い部分ができている。

また、元の磁力量子の「エーテル圧」の低い部分があった場所に、元の磁力量子と同じ大きさの円柱形の「エーテル」の渦ができている。

周囲から「エーテル」が流れ込む寸前を表しており、以後、図13からの過程を繰り返し、「エーテル」中を図の上方(頂壁の上方)へと伝わっていく。

以上、磁力の本体である磁力量子について、その発生・伝達機序について考察した結果、磁力量子は、原子核の収縮で発生した引力量子が、原子核周囲の電子が対で存在し「エーテル」がランダムに運動している電子雲から、電子が単独で存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に達した瞬間に、電子雲の「エーテル」の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦と渦上下の「エーテル圧」の低い部分の組み合わせとして同時に2個発生し、その後、回転を維持したまま、それまでの進行方向に垂直な上下方向に進行することが判明した。しかし、この結果だけでは、磁力量子が物質中で磁力を発生し他の物質に磁力を及ぼす作用機序は不明であり、磁力量子が磁力の本体であると証明されたわけではない。

以下、磁力量子が実際にどのようにしてマクロの物質中で磁力を発生し、その力を他の物質に及ぼすのかについて具体的に検討し、磁石が同じ磁極同士に斥力が働き異なる磁極同士に引力が働く理由や、鉄などの強磁性体が磁石に引き付けられ強磁性体自身も磁石となる機序など、磁石の構造や性質を磁力量子の存在を前提として理論的に解明し、磁力量子が磁力の本体であることを明らかにして行く。

3.磁力量子の存在を前提にした磁力の発生及び作用機序

磁力は全ての物質に作用するのではなく、作用を受ける物資と作用を受けない物質があり、作用の方式も引力と斥力の2種類ある。また、NとSの二つの極性を持ち、異なる極同士に引力、同じ極同士に斥力が働くなど、複雑な性質を有している。

以下、「エーテル」の存在を前提とし導き出した磁力量子がこれらの複雑な磁力の性質をどのような機序により出現させるのかについて、磁石等を用い具体的に検証する。

3-1.磁力及び磁力量子の性質について

磁力量子の存在を前提にした磁力の発生及び作用機序を検証するに当たり、先ず、磁力と磁力量子の性質を確認する。

磁力の性質

まず、現在すでにわかっている磁力の基本的な性質を確認する。
     1.磁力には作用する物質と作用しない物質がある。
     2.N極、S極という2つの磁極がある。
     3.磁極は常にN極とS極が一緒に存在し、N極だけ、あるいはS極のみ(磁気単極子)の存在は確認されていない。
     4.磁力は同磁極同士に斥力、異磁極どうしに引力が働く。
     5.鉄などの強磁性体に作用し引き付けると同時に、強磁性体自身を磁石に変化させる。

以上であるが、これらの性質は磁力や磁石について経験・観察上わかっている性質であり、その発現機序は完全には判明していない。

磁力量子の性質

次に、今回新たに定義した磁力量子の性質について検討する。

磁力量子は、磁力が引力と同様に逆二乗の法則に従い空間を無限方まで伝わるため、磁力も引力と同様の機序により対象物に力を及ぼしていると考え、引力量子になぞらえ、力を伝える「エーテル」の運動の最小単位として定義したものである。そのため、その性質は引力量子とほぼ同様のものになると考えられる。

磁力量子の基本性質として以下のことが列挙される。
     1.磁力量子は磁力を伝える「エーテル」の運動の最小単位である。
     2.発生源の磁力の強さに比例した磁力量子が絶え間なく発生される。
     3.発生した磁力量子はエネルギー(大きさ、強さ)を変化することなく空間を無限方まで伝わる。
     4.空間を伝わっている磁力量子は完全に発生源から独立し発生源の状態の影響をうけないし、発生源に影響を与えることもない。

以上であるが、
     1.は磁力量子の定義より明らかである。
     2.は磁力量子の定義および磁力量子の発生機序より明らかである。
     3.は磁力が逆二乗の法則に従うことおよび磁力量子の発生・伝達機序から明らかである。
     4.は磁力量子の発生・伝達機序から明らかである。

磁力量子と磁力の関係

最後に、磁力量子と磁力との関係について検討する。
     1.磁力は磁力量子の集まりであり、磁石の磁力の強さは単位時間に磁石が発生する磁力量子の数に比例する。
     2.物質に磁力がどのように作用するかは磁力量子だけに依存するのではなく、作用を受ける物質との関係により決定する。
     1.は磁力量子の定義より明らかである。
     2.は磁石の同じ磁極から発生する磁力量子は同じであり、それにもかかわらず、磁力が引力あるいは斥力として働くこと及び物質が同じでも磁極が変化すると物質の受ける磁力が引力あるいは斥力へと変化することより、変化の原因は磁力量子と作用を受ける磁石の組み合わせにあると考えられるからである。

以上、磁力と磁力量子の基本的な性質とその関係があきらかになった。以下、これらを元に、「エーテル」の存在を前提とし導き出した磁力量子がこれらの複雑な磁力の性質をどのような機序により出現させるのかについて、磁石等を用い具体的に検証する。

3-2.磁極について

磁力には、N極、S極という2つの極が存在するが、N極やS極の磁荷が単体で発見されたことはなく、常にN極とS極がペアになった磁気双極子として存在する。これは、引力や電気にはない磁力だけの特性である。

まず、この磁極の特性を磁力量子の存在を前提に考察する。

N極とS極の違い

磁力量子は、図11に示したように、引力量子が「エーテル」がランダムに運動している電子雲から不対電子を持つ電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に達した瞬間に「エーテル」の渦と「エーテル圧」の低い部分が組み合わさったものとしてそれまでの引力量子の進行方向の上下に同時に2つ発生する。この時発生する「エーテル」の渦の回転方向は、電子雲の「エーテル」の流れる方向と一致するため、上下の磁力量子で同じ方向であるが、上の磁力量子は上方、下の磁力量子は下方へと進行するためそれぞれの進行方向に対しては回転の方向が逆(上にできた磁力量子は進行方向に対し右回転、下にできた磁力量子は進行方向に対し左回転)となる。

つまり、磁力量子には、「エーテル」の渦の回転が磁力量子の進行方向に向かい右回転のものと、左回転のものの2種類がある。この、「エーテル」の渦の回転方向の違いがN極とS極の違いであると考えられる。そして、この「エーテル」の渦の回転方向の違いが磁力の作用機序に深く関わって来ると推測される。

そのため、以下、進行方向に向かい右回転の磁力量子を、N極から発生する磁力量子(N磁力量子)、進行方向に向かい左回転の磁力量子を、S極から発生する磁力量子(S磁力量子)と仮定し、磁力の発生と作用機序について検討する。

磁気単極子について

磁力を発生する磁石では常にN極とS極が一緒に存在し、N極だけ、あるいはS極のみを持つ磁石(磁気単極子)の存在はいまだ確認されていない。しかしこれは、磁力量子が原子レベルで常にN磁力量子とS磁力量子が同時に発生するという磁力量子の発生機序から当然の結果である。

ただし、磁気単極子の存在については、N磁力量子とS磁力量子がそれに相当するものと考えられ、今後、磁力量子を単独で取り出すことが可能となれば、磁気単極子として確認され得ると考える。

3-3.引力・斥力の発生機序

磁力量子の存在を前提とした場合、磁石間に働く磁力は、対象物に磁力を作用する磁力量子とその作用を受ける磁石との組み合わせにより決定され同磁極同士で斥力、異磁極同士で引力が働く。

磁石が磁力を発生する機序は、磁力の発生源で発生した磁力量子が空間を伝わり対象の物質に達し直接力を作用すると考えられており、磁力量子の発生・伝達機序はすでに判明している。

しかし、磁力量子がどのような機序で磁石に磁力を作用しているかについてはいまだ検証されていない。そのため、磁力が引力あるいは斥力として働く機序を解明するためには磁力量子がどのような機序で磁石に磁力を作用しているのかを解明する必要がある。

以下、磁力における引力、斥力の発生機序、作用機序を明らかにするため、磁力量子がどのような機序で磁石に磁力を作用しているのかを検証する。

磁力量子の作用機序

新エーテル理論では、引力は物質中に引力量子の作用を受ける「特別な領域」が存在し、その体積が質量に比例するため、物質自体の体積に関係なくその質量に比例した引力を受けることが論文3により導き出されている。

磁石においても、受ける磁力は磁石の体積ではなく、磁石の持つ磁荷に比例する。そのため、引力と同様に、磁石にも磁荷の大きさ(磁力量子の発生量)に比例した大きさを持つ「特別な領域」が存在し、その領域に磁力量子が作用することにより磁力を受けると考えられる。

引力においての「特別な領域」とは、原子核の陽子と中性子を構成する素粒子(クォーク)が波の状態のとき「エーテル」として空間に広がって存在している領域である。引力は、この全ての物質が持つ「特別な領域」に引力量子が作用し、引力量子の発生源の方向へと引き寄せることにより発生するため全ての物質に作用するのである。

しかし、磁力は磁荷を持つ物質にしか作用しない。そのため、磁力量子は原子核に作用するのではなく、磁力量子の発生に深く関わる物質・領域が磁力においての「特別な領域」として磁力量子の作用を受けると考えられる。

引力量子と磁力量子の違いは「エーテル」の渦の存在である。したがって、磁力量子の特性は「エーテル」の渦に由来していると考えられる。

一方、磁石が磁荷を持つ必要条件は、磁気モーメントの向きがそろっていることであり、磁気モーメントの向きは、不対電子のスピン(「エーテル」の渦)の向きにより決定される。すなわち、磁石が磁荷を持つ必要条件は、磁石を構成している原子が不対電子を持ち、そのスピン(「エーテル」の渦)の向きがそろっていることであると言い換えることができる。

つまり、磁力を作用する磁力量子にも磁力の作用を受ける磁石にも「エーテル」の渦が存在し、その存在が磁力の特性の源となっているのである。そのため、磁力量子とその作用を受ける磁石の関係は両者の持つ「エーテル」の渦の関係により決定されると強く示唆されることになる。

したがって、磁力における「特別な領域」の条件は
     @磁荷に比例する体積を持つ。(磁石が磁荷に比例する磁力を受けることより明らか。)
     A「エーテル」の渦を持つ。(磁力の特性が「エーテル」の渦に由来することより明らか。)
     B「エーテル」の渦の回転方向が揃っている。(同じ力を受けるためには同じ方向に回転している必要があることより明らか。)
となる。

@の条件を満たすものとしては、磁力量子の発生機序より、不対電子と不対電子を持つ電子雲の2つが挙げられるが、不対電子を持つ電子雲はその境界部分のみに「エーテル」が一方向に流れている領域があり、「エーテル」の渦というよりも川の流れのようになっているためAの条件に当てはまらず、候補から除外される。

不対電子については、電子がスピンを持つことよりAは当然成り立ち、Bについては物質が磁力を持つためには磁気モーメントがそろっている必要があり、磁気モーメントの向きが不対電子のスピンの向きにより決定されることより当然成り立つ。

以上のことより、磁石における「特別な領域」の条件を満たす物質は不対電子のみとなる。したがって、磁石に働く磁力は磁石中の不対電子が波の状態のとき「エーテル」として空間に広がって存在している領域に磁力量子が作用し磁力(引力あるいは斥力)を及ぼしていると強く示唆される。

以下、磁力量子が不対電子に直接作用し磁力を及ぼしていると仮定し、引力・斥力の発生機序を磁力量子と不対電子が持つ「エーテル」の渦の関係に注目し検討する。

磁力の指向性と不対電子のスピン軸の方向

磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦の関係は、回転の向きだけでなく、それぞれの回転軸の傾きがどのような関係になっているかにより大きく影響を受ける。

磁力量子は回転軸の延長方向に伝わる。そのため、磁力量子が対象物に達した場合、磁力量子の「エーテル」の渦は側面が衝突するのではなく、渦の回転面全体が対象物に衝突する。したがって、両者の関係は磁力量子の作用を受ける磁極の不対電子のスピンの回転軸の方向により決定される。

磁極とは磁石の両端の、磁力が最も強い点である。

棒磁石では、長軸の両端にN極、S極があり、それぞれ長軸の延長線上に強い磁力を作用し、同時に他の磁石の作用を最も強く受ける。しかし、棒磁石の側面では磁力は弱く、引力と違い、磁力には力の及ぼす向きに指向性があることが観測されており、この磁力の指向性が磁界の向きと一致する。

磁力は磁力量子により発生するため、磁力の指向性は磁力量子の伝達方向の指向性に由来する。そのため、棒磁石では、発生する磁力粒子の大部分が両端の磁極から長軸の延長上を伝わることになるが、上記、磁力量子は回転軸の延長方向に伝わる。したがって、磁力量子の回転軸は棒磁石の長軸に平行であり、磁極における磁界の向きに平行であることが導き出される。

一方、磁力量子の「エーテル」の渦の回転方向は、発生源の電子雲の「エーテル」が一方向へ流れている領域の「エーテル」の流れる方向と一致し、発生源の電子雲の「エーテル」の流れる方向は不対電子のスピン(「エーテル」の渦の回転)の方向と一致する。そのため、磁力量子の回転方向と不対電子の回転方向は一致することになり、両者の回転軸は平行となることが導き出される。

したがって、上記二つの結論
     @磁力量子の「エーテル」の渦の回転軸が磁極における磁界の向きに平行である。
     A磁力量子の「エーテル」の渦の回転軸が磁極に存在する不対電子のスピンの回転軸と平行である。
より、磁極に存在する不対電子のスピンの回転軸が磁極における磁界の向きに平行であることが導き出される。

以上のことより、磁力を伝える磁力量子が磁極に到達し磁石を構成する原子の不対電子に作用する場合、互いの「エーテル」の渦は側面同士が衝突するのではなく、渦全体が向かい合い衝突し力を及ぼすことが明らかになった。

引力・斥力の発生

「エーテル」の渦が向かい合い接近した場合、自身の進行方向に対しての回転の方向が同じであると、渦の接触面では互いの渦の回転方向は反対となり、「エーテル」同士が衝突し反発力(斥力)が働く。一方、自身の進行方向に対しての回転の方向が反対であると、渦の接触面では互いの渦の回転は同方向となり、「エーテル」同士が衝突することなく混ざり合うため吸引力(引力)が働く。

上記、磁力量子の「エーテル」の渦の回転方向と磁力量子を発生する磁極を構成する原子の不対電子の「エーテル」の渦の回転方向は同じである。このため、進行方向に向かい右回転の渦を持つと仮定したN磁力量子は右回転の「エーテル」の渦を持ち、N磁力量子を発生するN極を構成する原子の不対電子も発生する磁力量子の進行方向に向かい右回転の「エーテル」の渦を持つ。同様に、進行方向に向かい左回転の渦を持つと仮定したS磁力量子は左回転の「エーテル」の渦を持ち、S磁力量子を発生するS極を構成する原子の不対電子も発生する磁力量子の進行方向に向かい左回転の「エーテル」の渦を持つ。

そのため、磁石の同磁極同士を近づけた場合、作用を与える磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦は接触面において回転方向が反対となり、「エーテル」同士が衝突し反発力(斥力)が働くことになる。

一方、磁石の異磁極同士を近づけた場合は、作用を与える磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦は接触面において回転方向が同じとなり、「エーテル」同士が衝突することなく混ざり合うため吸引力(引力)が働く。

これが、磁力量子の存在を前提とした場合の磁力における引力と斥力の発生機序である。

以上、磁力が異なる磁極同士で引力が働き、同じ磁極同士で斥力が働くのは、磁極を構成する原子の不対電子の回転方向がN極とS極でそれぞれの発生する磁力量子の進行方向に向かい反対であることと、磁極から発生する磁力量子の渦の回転方向が磁極の不対電子の回転方向と同じためであることが判明した。ただし、これは磁石の中で磁石を構成する原子の不対電子の回転方向がN極とS極で反対になるのではなく、N磁力量子を右回転とした場合、棒磁石全体をS極からN極に向かい見た場合不対電子の回転方向は全て右回転となっていることに注意が必要である。

3-4.鉄などの強磁性体が磁力を発生する機序

鉄やコバルト、ニッケルなど磁石に吸着され、自身も磁気的に分極して磁石となる物質を強磁性体と呼ぶ。これらの原子は、不対電子を持つため原子一つ一つが磁気モーメントを持つ磁石であるとみなすことができる。しかし、通常は原子の向きがばらばらに存在するため、互いの磁場が相殺され全体としては磁気を持たない。

現在、強磁性体が磁石に吸着される機序は、強磁性体に磁力を作用させると、それまでばらばらな方向を向いていた原子の磁気モーメントが加えられた磁場と同じ方向を向くため磁場が相殺されることがなくなり、反対に磁場同士が加算され強い磁場を作るためであると考えられている。

磁気モーメントの向きは不対電子のスピンの向きにより決定されることが磁力量子の発生機序より導き出されている。そのため、磁気モーメントが加えられた磁場と同じ向きになるということは、ばらばらな方向を向いていた不対電子のスピンが磁場により同じ方向にそろうことを意味する。

新エーテル理論では、磁力は磁力量子により伝えられると考える。そのためこれを、磁力量子と強磁性体を構成する原子の関係でみてみると、例えば、進行方向に向かい右回転のN磁力量子が鉄に作用する場合、鉄に達したN磁力量子により鉄原子は右回転の「エーテル」の渦による力を受け続けることになる。

鉄などの強磁性体の不対電子のスピンの軸は固定された一定の方向を向いているのではなく、周囲から影響を受け方向を簡単に変更することが知られている。そのため、磁力量子により「エーテル」の渦から力を受けると、自身の「エーテル」の回転方向が力を作用する磁力量子の「エーテル」の渦の回転方向と同じに成るようにスピン軸を変更させる。また、同じ原子中に存在する不対電子は、フントの規則により、全てスピンの向きがそろう性質がある。そのため、これら二つの作用により、磁力量子の作用を受ける強磁性体中の不対電子のスピンは作用を加える磁力量子の「エーテル」の渦の回転方向に全てそろうのである。

具体的には、進行方向に対し右回転のN磁力量子の作用を受けた強磁性体の不対電子は全てN磁力量子と同じ方向にスピンすることになり、スピンの向きがそろうため、磁場が加算され強い磁場を作る。このとき、強磁性体中の全ての不対電子のスピンの方向はN磁力量子から見ると右回転だが、強磁性体からN磁力量子に向かって見ると左回転となる。そのため、強磁性体から発生される磁力量子は進行方向に向かい左回転のS磁力量子となり、N磁力量子の作用によりS極が形成される。

一方、強磁性体に進行方向に対し左回転のS磁力量子が作用すると、同様の機序により、S磁力量子の作用を受けた部分にN磁極が形成される。

以上が、鉄などの強磁性体が磁力を発生する機序である。

4.まとめ

エーテル」の存在を前提とし、磁力の発生と作用機序について検討してきた結果、以下のことが判明した。

@磁力は、磁力を伝える「エーテル」の運動の最小単位である磁力量子が空間を伝わり、物質に直接作用し発生する。

A磁力量子は、原子核の収縮で発生した引力量子が、不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に到達した瞬間に、原子雲の「エーテル」の流れと同方向に回転する「エーテル」の渦と渦上下の「エーテル圧」の低い部分の組み合わせとして同時に2個発生し、その後、回転を維持したまま、それまでの進行方向に垂直な上下方向に分かれて進行する。

B磁力量子には「エーテル」の渦が進行方向に向かい右回転のものと左回転のものの2種類ある。(本論分では、右回転の磁力量子をN極から発生するN磁力量子、左回転の磁力量子をS極から発生するS磁力量子と仮定した。)

C不対電子のスピンの方向とその不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域の「エーテル」の流れる方向が一致するため、磁極を構成する原子の不対電子のスピン(「エーテル」の渦)の向きとその磁極から発生する磁力量子の「エーテル」の渦の回転方向は一致する。(本論分では、N磁力量子が右回転、S磁力量子が左回転と仮定したためN極の不対電子は右回転、S極の不対電子は左回転のスピンを持つことになった。)

D磁力は作用する磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦が側面同士が衝突するのではなく、渦全体が向かい合い衝突して始めて力を発生する。

E磁力が引力あるいは斥力として作用するかは、作用する磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦の回転方向の組み合わせが決定し、衝突したときの回転方向が同じ場合は引力が働き反対の場合は斥力が働く。

F磁石の同磁極同士を近づけた場合、作用を与える磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦は接触面において回転方向が反対となり、「エーテル」同士が衝突し反発力(斥力)が働く。

G磁石の異磁極同士を近づけた場合、作用を与える磁力量子の「エーテル」の渦と作用を受ける不対電子の「エーテル」の渦は接触面において回転方向が同じとなり、「エーテル」同士が衝突することなく混ざり合うため吸引力(引力)が働く。

H鉄などの強磁性体が磁力を加えられると、それまでばらばらな方向を向いていた原子の磁気モーメントがそろい磁石に吸着されるのは、強磁性体が磁力量子から力を受けると、強磁性体の不対電子のスピンの方向が作用する磁力量子の「エーテル」の渦の回転と同じ方向に全てそろうためである。

考察

引力量子が宇宙空間で一方向へ流れている「エーテル」に進入した場合

宇宙空間には、天体の自転や公転や宇宙の始まりのインフレーションにより引き起こされた「エーテル」の流れがある。そのため、引力量子が宇宙空間を伝わってくる間に、「エーテル」が一方向に流れている領域に進入することも頻繁に発生していると考えられる。しかし、引力量子は、宇宙空間を強さを変えることなく無限方まで伝わると定義されている。

一方、今回、引力量子が原子の中で電子が単独で存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に達したとき、「エーテル」の渦を持つ磁力量子に変化することが導き出された。

宇宙空間であれ原子中であれ、引力量子が一方向に流れている「エーテル」に進入した場合、「エーテル」の流れている方向に流され進行方向が変わるはずである。それなのに、不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向に流れている領域に達したときにのみ磁力量子に変化することは矛盾しているように考えられる。

宇宙空間での「エーテル」の一方向への流れと原子中での不対電子が存在する電子雲の「エーテル」の一方向への流れの唯一の違いは「エーテル」が流れるスピードである。そのため、上記の違いは通常の空間に存在する「エーテル」の流れと原子中の電子雲中の「エーテル」の流れのスピードの違いにより引き起こされると推測される。

「エーテル」の渦の形成は、「エーテル」が、電子雲中を一方向へ流れているもともとの進行方向への運動と「エーテル圧」により引き起こされる引力量子へと向かう運動が合成され、引力量子に斜めに進入して引力量子の側壁に衝突することにより始まる(図5,6)。しかし、電子雲中の「エーテル」が一方向に流れているスピードが遅い場合、「エーテル」が斜めに進入する角度が小さくなるため、進入してきた「エーテル」は側壁に衝突することなくて底壁へと達してしまう。このため、「エーテル」の流れる速度が遅い場合、「エーテル」の渦は形成されず、引力量子は、宇宙空間を強さを変えることなく無限方まで伝わるのである。

現在の物理学では、スピンとはあくまでも概念的なものであり、実際に電子が回転しているものではないと考えられているが、これは、実際に電子が回転しているとすると、計算により求められる回転速度が光速を超えてしまうからである。しかし、「エーテル」を光の触媒と考えた場合、音を伝える空気中の分子の運動速度が音速をはるかに超えてしまうことと同様に、光を伝える「エーテル」の運動速度は光速を超えていると考えられる。そのため、新エーテル理論では光速を超える速度も存在し、スピンとは素粒子の自転であり、素粒子を構成している「エーテル」が実際に一方向に回転していると考える。

不対電子を持つ電子雲の「エーテル」が一方向へ流れる領域の「エーテル」の流れは不対電子のスピンに由来する。そのため、その「エーテル」の流れる速度は光速を超える非常に高速なものであると考えられる。一方、論文1において考察した「エーテル」が一方向へ流れている領域の「エーテル」の流れは地球の公転や自転により「エーテル」が地球の重力により引きずられて生じるものであり、そのスピードは光速に比較し非常に小さい。このため、引力量子は不対電子を持つ電子雲の「エーテル」が一方向へ流れる領域に達した場合にのみ、磁力量子に変化するのである。

磁力量子による引力の発生について

磁力量子は引力量子が変化したものである。そのため、磁力量子が発生するとその発生量に比例し引力量子の数が減少する。その結果、鉄など、原子が不対電子を持ち磁力量子を発生している強磁性体では、核子(陽子と中性子)の数に比較し発生する引力が弱くなるはずである。しかし、現在までそのような質量低下の報告は見当たらない。そのため、磁力量子は引力量子同様に引力を作用すると考えなくてはならない。

引力は、物質を構成している素粒子が波の状態となり「エーテル」として空間に広がった領域が、引力量子の本体である「エーテル圧」の低い部分に流れ込むことにより発生する。そのため、引力の発生の必要条件は「エーテル圧」の低い部分の存在である。

磁力量子は「エーテル圧」の低い部分と「エーテル」の渦の組み合わせでできている。そして、引力量子と同じように、「エーテル圧」の低い部分に周囲(隔壁以外の前後左右及び頂壁)から「エーテル」が流れ込むことにより空間を伝わっていく(図12から図19)。

この時、磁力量子に流れ込んできた「エーテル」の運動の向きは、磁力量子の「エーテル」の渦との関係がちょうど磁力を発生する関係以外の場合、「エーテル」の渦に衝突して互いに運動の方向を入れ替えるため、新たにできた磁力量子の下に複製され保存される。そのため、物質を構成している素粒子が波の状態となり「エーテル」として空間に広がった領域が、磁力量子の「エーテル圧」の低い部分に流れ込んだ場合も引力量子の「エーテル圧」の低い部分に流れ込んだ場合と同じ結果になる。

ただし、磁力量子は引力量子1個から変化し、同じ大きさのものが同時に2個作られる。引力量子の引力の源は「エーテル圧」の低い部分であり、引力の強さはその体積に比例する。そのため、引力量子が2個の磁力量子に変化した後も同じ大きさの引力を発生するためには、2個の磁力量子がもつ「エーテル圧」の低い部分の体積の合計が元の引力量子の体積と等しくなければならない。

磁力量子が引力量子から変化し発生するのは、引力量子が不対電子が存在する電子雲の「エーテル」が一方向へ流れている領域へ達した瞬間である(図5)。その時引力量子は、進行方向の壁(前壁)が一方向に流れている「エーテル」に接するが、他の壁(側壁及び底壁)はそれまでと同様にランダムな運動をする「エーテル」に接している。

「エーテル圧」の低い部分に流れ込む「エーテル」の量とスピードは周囲の「エーテル圧」の大きさで決定される。そのため、引力量子が変化して磁力量子が発生するとき新たに前壁に接する「エーテル」が一方向に流れている領域とそれ以外の壁に接しているランダムな運動をする「エーテル」の「エーテル圧」が等しければ、発生する磁力量子(図7)の隔壁に接して新たに発生する「エーテル圧」の低い部分の体積の合計が元の引力量子の「エーテル圧」の低い部分の体積と等しくなる。

マクロの物質において、気体の体積は圧力(気圧)に比例する。そのため、一気圧の場所で膨らましたゴム風船を一気圧の密封された箱に入れた後、箱の空気を抜き箱内部の気圧を低下させると、ゴム風船は膨張し、箱内部の気圧と等しくなるまでゴム風船内部の気圧を低下させる。

図5においてランダムな運動をしている「エーテル」の領域と一方向へ流れている「エーテル」の領域は互いにその大きさ(体積)を変えることなく安定して存在している。そのため、ランダムな運動をしている「エーテル」の領域と一方向へ流れている「エーテル」の領域の「エーテル圧」は等しく、引力量子が変化し2個発生する磁力量子の「エーテル圧」の低い部分の体積の合計が元の引力量子の「エーテル圧」の低い部分の体積と等しくなることが導き出される。

以上のことより、磁力量子は磁力の作用を受けない物質に対し、元になった引力量子と同じ強さの引力を作用することが判明した。

磁力線について

磁力線とは、永久磁石の上に紙を置き上から砂鉄をまくと現れる砂鉄で描かれた曲線をいい、空間での磁場の方向を表していると考えられている。

しかし、磁力が磁力量子により作用すると考えた場合、磁場は発生源から空間を放射状に伝わる磁力量子の進行方向と一致することになり、磁場の方向を表す磁力線は直線となり、両者の結論は矛盾したものとなってしまう。以下、この矛盾の原因について検討する。

磁力の強さは引力と同様に逆二乗の法則に従う。逆2乗の法則は、力を伝える一定の向きと大きさを持った物質(量子)が、その発生源を中心に空間を放射状に広がっていくことにより成り立つ。したがって、磁力量子は発生源から放射状に空間に広がっていくことになり、磁場の方向も空間に放射状に広がっていくことになる。

一方、磁力線が曲線であり、磁場の方向も曲線である場合は磁力は逆2乗の法則に従うことはない。そのため、現在一般に考えられている砂鉄で描かれた磁力線は正しく磁場の向きを表していないことが強く示唆される。

砂鉄で描かれた磁力線が直線にならない原因としては、磁石には常にN極とS極が存在するため、互いに磁場の影響を受けることや磁場の源が磁石を構成している原子であり、磁石はその原子が多数集まり構成されているため、磁場が重ねあわされることなどが挙げられるが、一番の原因は、磁力線が砂鉄で描かれていることだと考える。

なぜならば、鉄は磁力量子の作用により自身も磁石となるため、磁力線を描いている砂鉄は全てがN極、S極を持った磁石となり、自身も磁力量子を発生し磁場を形成するからである。砂鉄で描いた磁力線は元の磁石の磁場を描いているだけではなく、元の磁石の磁場により磁石になった砂鉄の磁場も一緒に描いているのである。

棒磁石を並べる場合、1本の棒状になるよう直列に並べるには磁石をN極、S極、N極、S極の順に並べる必要があり、この場合、並べられ1本の長い棒磁石となった磁石の磁場はN極からS極へと一方向に並ぶことになる。

一方、棒磁石を磁場をそろえN極、S極、N極、S極の順で並列に並べると、磁石は隣り合った同磁極同士が反発しあうため接触することができず、磁石の間に空間(隙間)を残して並ぶ。

砂鉄で描かれた磁力線においては、砂鉄がつながりで線状に描かれた磁力線の一本、一本が棒磁石が直列に並んだ状態であり、磁力線は、この砂鉄で作られた、磁場がそろった線状の棒磁石が互いの磁場の影響を受け隙間を作りながら多数並列に並ぶことにより描き出されるのである。

このとき描かれる磁力線は、元の磁石に近い場所では元の磁石の磁場の影響が強いため、元の磁石の磁場の状態を強く表しているが、元の磁石から離れるに従いもとの磁石の磁力の影響が弱くなるため、磁石となった砂鉄の磁場の状態を強く表すことになる。そのため、元の磁石に近いところでは直線に近い磁力線を描くが、元の磁石から遠い場所では、磁石となった砂鉄同士の磁場が影響を及ぼしあい、対照的な独特な曲線模様(磁力線)を描き出すと考えられる。

以上が、現在一般に考えられている砂鉄で描かれた磁力線と磁力量子を前提に理論的に導き出された磁力線(磁場の向き)が異なる理由であり、砂鉄で描かれた磁力線は正しく磁場の向きを表していないことが判明した。

おわりに

新エーテル理論では、相対性理論、素粒子、引力、宇宙などについて、「エーテル」の存在を前提に再検討し、「エーテル」が存在しないことを前提とする物理理論に代わる新たな物理理論を提示してきました。

今回は、磁力について、「エーテル」の存在を前提に、その発生・作用機序を検討しました。その結果、磁力は引力と同様に、力を伝える「エーテル」の運動の最小単位である量子(磁力量子)が空間を連鎖的に伝わり、離れた物質に直接力をおよぼし磁力を発生していることが導き出され、磁石に磁気単極子が存在しない理由や磁力に引力と斥力がある理由、鉄などの強磁性体が磁石に引き付けられ強磁性体自身も磁石となる理由などが理論的に説明されました。

新エーテル理論より導きだされた重要な仮説の1つとして、「エネルギーの実体が「エーテル」であり、自然界の四つの力である引力、電磁気力、強い力、弱い力は全て「エーテル」が運動することにより物質に力を及ぼしている。」があります。今回、磁力についての検討結果も、この仮説に一致しました。このことより、新エーテル理論の正しさがさらに強く示されたと考えます。

今後は、電磁誘導など今回検討していない電磁現象について磁力量子の存在を前提に検討していくとともに、電気の発生・作用機序についても考察を進めていきたいと思います。


論文は以上です

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  (2021/9/29に誤字、脱字等を訂正した修正版に更新しました。)

論文5:「エーテル」の存在を前提とした電磁気学T〜磁力の発生と作用機序について〜


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Copyright (C) 2012 Yukihiko Hoshino
初版:2021年9月16日、最終更新:2021年9月29日
エーテル磁力論
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